「あなたはなにも知らない。鈴鹿のことを。一族に潜む闇を。そして、あの夜のことさえも」
「……貴様」
枯葉は供子を睨み付けたまま、それでも怪訝な顔をした。
「闇、だと?それに……あの夜のこととは、なんだ」
性悪メガネと渾名される高校生・霧沢景介が、人あらざる『鈴鹿』一族の内部分裂により、隠れ里から逃れてきた姫・枯葉と出会い、彼女の婿候補に挙げられて一族の争いに巻き込まれていくシリーズの第三弾。今回は、姉が口ずさんでいた詩を口ずさむ少女・檻江を追いかけていった先にある「ひじり」の病院で、鈴鹿のさらなる闇が見えてくるお話です。
毎度毎度つうれんが変化していくんですが……今回はすごいな。大丈夫なのかしら。
ともあれ、中立の立場の病院で見えた鈴鹿一族にふりかかる病と、頭首でありながら知らなかった闇は、重苦しいものがありますねぇ。闇を知るものからしたら、枯葉の行動はたしかに反発を生む気がします。
知らなかったとは、さすがに言い訳にしかならない。
ただ、それでも決して、殺すことで事態の解決を計ろうとしないところが、甘くとも彼女の覚悟の強さを思わせてくれますね。彼女の決意を支えるために、強くなろうとする景介の想いも良かったです。
それにしても、供子の言葉はなにを示しているんだろう。彼女が打ち込んだ楔は、何か良くないことの前触れのように思えたりします。景介の姉のこともあるし、そろそろザクっとくるような……なんて身構えてしまうのは、僕だけかしら。
アカイロ/ロマンス〈3〉薄闇さやかに、箱庭の (電撃文庫)
藤原 祐
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