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[壁井ユカコ] 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち(6)

「な、何……?」
「ん。やっぱり」
何やら満足げに頷かれた。
「なんか俺、前から描いてみたい気がしてあんだ。お前やっぱりいいな」
……なんだその無防備発言!普通に嬉しそうにお前いいなとか言うな!そっちが欲情しなくてもこっちが襲うぞ逆に!女子高生ナメんな!

訳ありだったり、変人だったりと、ちょっとおかしな住人たちが集う「鳥籠荘」の出来事を描いた物語の第六弾。親同士が結婚して、家族となった加地くんと華乃子ちゃん話と、ジョナサン話、住民がいなくなった鳥籠荘に戻ってきた人の話、そして鳥籠荘シリーズのキャラを使った吸血鬼物語の番外編が収録されている最終巻です。

なんとなくこれで終わり、という気がしないのは、また何かの拍子で始めてくれるんじゃないかという思いがあるからかしら。

鳥籠荘にオーナーという立場で戻ってきたキズナと、そこに新たに入居してくる人たちの姿を見てると、大変そうだけど暖かみある場所になりそうだなと言う気がします。もちろん、最後に入居面接にやってきた人のこともありますけどね!エピローグの最後の言葉を読んだ後の余韻がたまりません。

一方、鳥籠荘から旅立った人たちの話では、加地くんと華乃子ちゃんがすっごい楽しかった。お年頃なふたりが一緒に暮らしたら……ねぇ?両親が旅行に出かけて初めてふたりっきりで過ごす夜の加地くんのドキドキっぷりや、あまり見えなかった華乃子ちゃんの意外な心の内とか、最高でした。
あのお父さんがいるから、なかなか大変だろうけど、いつかきっと、と思いたいですね。

個人的に一番印象に残ってるのは、ジョナサン話かな。病院で静かに暮らす彼の姿に、何気ない日常の中にこそ、宝物はあるということを見せられて、スッと視点が変わったように思います。この話、大好き。

番外編は、ティーンエイジャーたいが吸血鬼になってしまった町を舞台にした、浅井が美術教師、キズナが女子高生という設定のお話。
鳥籠荘とはぜーんぜん違うお話だけど、登場人物たちの距離感は近いので、非常におもしろかったりする。

舞台を変えても鳥籠荘は楽しめることがわかったので、またいつか、何かのときにでも、舞台を変えて(もちろん今の続きでも!)書いていただけたら嬉しいですね。

鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈6〉Blood Party! (電撃文庫) - 壁井 ユカコ

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