「だからって0.1割じゃ儲けなんかないだろ。貸金業、成立してねえじゃねえか」
「だれにでもホイホイ貸すわけじゃねえ。ポケットティッシュにも<簡単審査>ってあったろ」
「あったけど……」
「うちの融資は、債権者の金のつかいみちによる」
ヤミ金にお金を借りて追いつめられた人たちが、超低金利で融資する<ヴァンパイアファイナンス>を営む万城小夜と出会って……というお話。
女の子に貢ぎまくる男、振り込め詐欺の復讐を誓う老人たち、惚れた人のために性転換をする人などなど、話を聞いただけでもトラブルの予感がするのに、喜んで首をつっこんで、お金だけじゃなく場合によっては知恵やら手段やらも提供していく小夜の強引プレイっぷりが、なかなか痛快です。
超低金利とはいえ、お金を貸すわけなので、当然返すのを渋れば、待ち受けているのは<追い込み>なんですけど、むしろその追い込みを待ち受けてるあたり、小夜の悪魔っぷりが伺えますよね。表紙の人相の悪さは伊達じゃない。
ただ、複数の話が、ひとりの人物を中心としていりまじりながら展開していくというのは、うまく収束すれば快感なんですけど、どうにもそういう形で収まらなかったので、個人的にはイマイチだったかなあ。おじいちゃんたちの振り込め詐欺犯への逆襲の罠とかは、すげー!と思っただけに、詰めが甘かったりなんだりするところがもったいなく思える。
それでも、ヴァンパイア・ファイナンスの名称の意味がわかるところは、面白かったですけどね。それでヴァンパイアか!と、ポンと手を打つ。
第15回電撃小説大賞銀賞受賞作。
東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)
真藤 順丈
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どちらかといえば、一般小説的なお話だと思ったので、このお話が好きな人は、伊坂幸太郎がハマるんじゃないかしら。
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