Home > ライトノベル > [柴村仁] プシュケの涙

[柴村仁] プシュケの涙

「なあ榎戸川」
「……何」
「俺たち二人で探ってみないか」
「何を」
「なぜ吉野彼方は自殺したのか」

校舎から飛び降りた女子生徒を巡る謎を、「変人」由良と飛び降りた女子生徒を目撃した榎戸川が追う、ミステリアスで切ない恋物語。

これは素晴らしい!!切なさの余韻に浸れるお話として、最高でした。

はじめは、人の心にズカズカと入り込んでくる「変人」由良の行動と、そんな彼の行動に振り回される榎戸川が繰り広げるミステリアスな展開に引き込まれてましたが、とある事実が発覚してからは一変しました。まさか、こんな落とし穴があったとは。

何があったのかがわかるにつれて、殺るか殺られるか、といった緊張感が高まっていくところにはゾクっとさせられるものがありました。ここから、追うものと追われるものの間で、火花が散るのかと思ったら、榎戸川を取りまく環境の変化から、無力感が見えてきて、あっさりな感じになり、ちょっと物足りなくもありました。

ええ、そう思っていたんです。後半を読むまでは。

読んでしまったら、もう……だめでした。胸が苦しくて、切なくて、なぜ彼女が、と思わずにいられなかった。

彼女が思いを込めた絵は、未完成の絵は、きっと由良の心に居場所を作ってしまったんだろうなあ。不器用な二人が生み出した世界が美しかっただけに、初めに立ち戻ったとき、切なくてやりきれない思いでいっぱいです。

これは今まで読んだ柴村作品の中で、最高の作品じゃないかしら。
全力でオススメです!

プシュケの涙 (電撃文庫) - 柴村 仁

プシュケの涙 (電撃文庫)
柴村 仁

アスキーメディアワークス(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[柴村仁] [電撃文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [柴村仁] プシュケの涙

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2851
Listed below are links to weblogs that reference
[柴村仁] プシュケの涙 from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [柴村仁] プシュケの涙

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top