「大丈夫だ、約束する。俺は、絶対にお前の信じてきた世界を壊さない。もしも、俺を信じてくれるなら、俺は、お前の信じた俺の世界を、絶対に、絶対に壊さない」
まるでシャーネの心を読んだかのように、クエラは自信に満ち溢れた想いを告げる。
「世界は、そんなにヤワじゃない。人が入り込んで壊れる世界なんか無いさ」
不死の酒を巡って起きる不死者と人間が繰り広げる群像劇シリーズ。今回は、僕が個人的にバッカーノシリーズの中で一番好きな1931の続編。フライング・プッシーフット号の出来事の後のお話です。1931の補足や後の話の伏線、シャーネとクレアの出会いが描かれています。
うーん、面白いんだけど、ちょっと物足りないのは「シャーネとクレアが出会う物語」という帯から期待したほど、二人が出てなかったからかなあ。どちらかというと、1931の回想と補足的なものが多かった印象があります。それはそれで面白いんだけど、クレア好きとしては、ちょっとね。
それでもクレアが出てきてくれてからは面白かった!しゃべってる内容は殺伐としてるのに、シャーネへの愛を照れながら語る姿が微笑ましいです。相手の気持ちを考えない強引さはちょっとアレで、どうやってうまくいったんだろうと、後の年代を知っているが故のニヤニヤが止まらなくて大変でした。
一方のシャーネは、これまで父親にしか心を開かず、周囲に集まるものは皆、利用し合うもの、みたいな認識があったために、ジャグジーたちと出会った時に「仲間」という感覚に戸惑いを覚えていたようですが、彼ら彼女らの騒ぎを間近に感じることで、少しずつ心を開いていくところが良かったです。この心の解きほぐしがあったからこそ、クレアと再会したとき、自分の心が今までと変わってしまったことに気づけたんでしょうね。
シャーネを前にして告白をしたクレアの言葉が、語る言葉がなくとも伝わるものがあるそんな雰囲気が、素敵でした。
そのほか目立っていたといえば、ジャグジーでしょうか。最後にクレアが美味しいところを持っていったけれど、ジャグジーもまた人の心を掴んでくれますね。シャーネと再会したとき、そしてシャーネが囚われたとき、身を張って助けようとした彼の心意気が恰好良かったです。
物語の間にも、話が終わった後にも、いろいろと種を蒔いてる気がしましたが、どこまでが既に語られてる内容なのかいまいち覚えてないので、そのうち時系列に読んでいきたいですね。
バッカーノ!1931 臨時急行編―Another Junk Railroad (電撃文庫)
成田 良悟
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- 「ストレートに言うが……困った事に、俺は心の底からシャーネを愛してるみたいだ。 ……悪い。嘘をついた。実は困らない。でも愛してるのは本当だ。……ああ、や...








