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[三木遊泳] ゼペットの娘たち(2)

「あいつ馬鹿だから、すごい張り切りようで、最高に素敵な女の子を作るんだって、それでいい家でお姫様みたいに着飾って、みんなにちやほやされるような愛玩用になってほしいって、何度も熱く語ってたよ。おまえはそれだけ思われて作られたんだ。役に立つとか立たないとかの話じゃないだろ」
「でも……なにかできるようになりたいんです」
「おまえもけっこう馬鹿なんだね。そんあに作り手に似なくてもよさそうなもんなのに……」

意思を持つ金属ゼペット鋼によって、より人に近い人形となった機鋼人形を扱う人形師の少年・サツキと、生まれたばかりで何も知らない人形ハリケーンが、都会にいる人形師や人形のオーナーなどと出会って、経験をつみながら成長していくシリーズの第二弾。今回は、生まれて初めてサツキと離れることになったハリケーンが、サツキの役に立ちたいと頑張り、人形にしか興味のなかったサツキが、ちょっとだけ外に目を向け始めることになったお話が三篇収録されています。

前作で都会に向かい、今回は整備の仕事のため、一時的に地元に戻ってきたサツキですが、地元の人の雰囲気が良かったなあ。人形のことになると夢中になって、自分の身の事なんか振り返らないサツキのために、裏で連絡を取り合い、食事を取らせたり、健康に気を使ったりするやり取りが、何とも微笑ましいものを感じます。愛されてるなーと感じる次第。

愛されてるといえば、ハリケーンですよ。サツキの役に立ちたいと、何かできることはないか探し周り、料理に挑戦するもなかなかうまくいかないんですが、ロックハイム邸のご主人から、機鋼人形から調理師まで、みんなが手助けしてくれる姿が、とてもよかった。一番の被害者だったであろう調理師の人には、ご苦労様と労いの声をかけたくなりますね。
ようやくできたオムレツをサツキが食べてくれたときのハリケーンの笑顔が想像できそうです。

整備しにいった先では、歩いてみたいと言う人魚の機鋼人形も登場したりするんですが、彼女の思いが良かったなあ。初めて立てたときの嬉しさ溢れる描写がとても素敵でした。彼女が何のために歩きたいと思ったのかということが明かされるシーンも良かったですね。こういう恋話大好き。

恋話といえば、サツキの前に現れる人形師のニコとのやり取りも楽しかった。サツキと犬猿の仲に見えるのは、似たような年齢で、同じぐらいの実力を持ってるから、どうしても素直になれないんだろうなあ。まったく、と呆れながらニヤつく僕がいる。
特に今回、大弱りになったニコの手助けを図らずともしたことで、サツキが持っていた印象もガラリと変わったことがたまりませんね。ニコの美しさをまぶたに焼き付けたサツキが、今後どういう態度で接するのか気になるところですね。続きがとても楽しみです。

ゼペットの娘たち 2 (2) (電撃文庫 み 11-4) - 三木 遊泳

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