「あー諸君。明日から二泊三日で妖怪退治に温泉行くけど、来る?つーか来い」
きれいな人を描くことが大好きな美術部員・白塚真一と、美少女妖怪のイタチさん、美術部員なのに妖怪の研究が趣味の経島先輩など、美術部員の面々が、学校内に現れる妖怪を退治するシリーズの第三弾。今回は、旅館に憑いた霊を払いに二泊三日の旅行に行く話しと、天狗の弟子が強襲するお話と、学校に住みつく妖怪を狙うものが現れるお話が収録されています。
お話としてはいつもどおりの面白さです。毎度毎度、イタチさんへの思いを暴走させる真一と、賛美を聞いて恥ずかしがるイタチさんの描写を楽しみにしているんですが、今回はそれがかなり面白くなってました。というのも、温泉旅行にいったところで、真一に負けないぐらい、自分の相方さんを賛美しまくるおじさんが登場したからです。
ふたりとも負けじとお互いの好きな人を褒め称えあうやり取りが始まるところには、どうしようかと思うぐらい、くすぐったくてたまりませんでした。直接聞いてたイタチさんは、どれだけ縮こまったか想像に難くありません。
あの旅館の人たちは、またいつか出てきて欲しいなあ。
天狗の弟子のお話は、ちょっとドタバタ過ぎたかなと思いつつ、強力な相手でも、力以外のところで勝ったところに、真一の成長を感じたりしましたが、最後のお話は、なんていうか、最終巻っぽい雰囲気でしたね。
研究者を志すものが、妖怪を次々とコレクター化していく中、イタチさんにまで手を伸ばしかけたとき、大活躍したのが真一ってのがいいですね。変態っぽい行動も、イタチさんだから許されるというか、純粋な思いからきてるから許されるというか、アレなところもあるんだけど、いや、ほんとイタチさんのことになるとすごいよなあ、真一。
最後はみんなで協力して切り抜けて、しかも今まで明かされることのなかった九尾の狐の稲葉先生の力も存分に発揮されて、いやあ、格好よかった。やっぱり、みんながいてこそ、このシリーズは楽しいんですよね。
エピローグもまた素敵だったなあ。迷い家のエピソードを、こういう形で使われちゃったら、きっとこの二人なら大丈夫と、そう思いたくなりますね。
うん、面白かったです。
ほうかご百物語 3 (3) (電撃文庫 み 12-3)
峰守 ひろかず
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