「ランゴニア領事から、あなたとアクィタニア候、ランゴニア領事及びコレドム通商館代表を交えた会合を開きたいと要請がありました。その席で、ランゴニア帝国とローレアン聖王国の同盟について協議したいとのことです。しかし締結の条件として―」
深みのある美しい声が、アリアンを打つように響き渡った。
「聖王女たるあなたの身が、要求されるでしょう」
ダルディス皇国の侵略により、故国と両親を失った聖王女アリアンと、虜囚となった彼女が逃亡するのを助けた傭兵レオンが、それぞれの目的のために、万界の王が手にするという王獅子の至宝(レガリア)を求めるファンタジーの第二弾。
今回は、故国を取り戻すために立ち上がろうとするアリアンに、大国が力を貸す代わりに、アリアンとの結婚という条件を突きつけてきて……、というお話から波乱が始まっていきます。
面白いなあ。久しぶりなので忘れてたこともあったけれど、アリアンとレオンの掛け合いを読んでたら、だんだんと思い出していきました。表立っては憎まれ口しか叩き合っていませんが、そこここに相手に対する信頼が見えるので、二人の喧嘩する姿が、微笑ましく思える。
それだけに、この二人の間に亀裂が見えてしまうところは辛かった。自分にとって大切な人だからこそ、逆に本心を聞くのが怖いという気持ちが、更なるすれ違いを生んで……。自分という存在は民があってこそ、というアリアンの立場と、傭兵であるレオンの立場もまた、二人の間に距離を生んだ原因でしょうね。
協力し合えば、もう少し何かがうまくいくのにというチグハグした雰囲気の中、だんだんとレオンの思考が弱気方面に向かっていってたんですが、それを吹っ切ってくれたアリアンの言葉が忘れられない。
「救うなら、すべてを救うわ。それが次代聖王たるあたくしの……意思よ」
ほんと格好いい王女だなあ!
力で抑えつけられることがあっても、決して心を曲げることなく、民のために、自分のために、理想を追い求めてやまない姿に惹かれました。この人になら……そうレオンが思う気持ちもわかりますね。
いやあ、面白かった。
これでまたひとつレガリアが集まってきましたが、一方のダルディス皇国の方でも、いろいろ動きがあって、やばい雰囲気がぷんぷんします。皇妃エンジェリナはヤンでそうだし、まともに見えたユーサーは目的のために自らヤもうとしてるように思えるし。こちらの権力争いも見ものですね。次作がとても楽しみですが、できれば、もうちょっと早い間隔で出版してくれるとうれしいかな。
獅子の玉座〈レギウス〉 2 (2) (電撃文庫 ま 7-9)
マサト 真希
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