「前に、わたしが言ったこと覚えてる?」
「あ?」
「バドエル閣下は、わたしの憧れの人だって」
「……そう言や、そんなこと言ってたっけか」
「あれ、本心よ」
ルチーナの目が、まっすぐバドエルの顔をとらえる。
「今も。そして、きっとこれからも……」
「仁王」の崩御と共に、崩壊寸前となった弱国ウェスタディア。修道院という閉ざされた世界で平和に生きてきた優しき少女ルシリアと外務卿たるチェザーリが政治を、正規軍では芽が出なかったバドエルとアルファーニが軍を率いて、崩壊寸前の国を立て直そうと奮闘するシリーズの第三弾。今回は、ウェスタディアの辺境ラタントで猛威を振るう海賊たちを、双星が相手取るお話です。
ああ、いいなあ。バドエルの恋……とまでいかないかもしれませんが、下級貴族であるルチーナの気さくな性格に、だんだんと笑みをこぼすようになるバドエルを見ていると、うまくいってほしいなあと思ってしまうものがある。おそらく彼女がいたからこそ、海賊の被害で悩むラタントのために、国軍としてではなく、ただの一兵士として戦ったんじゃないかなあ。
むろん、彼女だけでなく、民を守ろうとするラタント知事の思いも踏んだんだろうけど。
ただ、これまでに比べたら、小さくまとまってる感があるかな。海賊を相手にしたってことで、戦術部分とかあんま無かったので、物足りなく感じてしまいました。戦力差はあったけど、それほど緊迫感なかったし……まあ、これはラタントのブロンジーノ家の頑張りがあったからこそとも言えるか。
仕える人が共に戦場にいるということは、きっと士気にも大きな影響があったんでしょう。恐怖を抑えながら、決して逃げなかったルチーノの姿は、きっとバドエルの心を捕らえてくれたんじゃないかしら。隠密行動ということで、素性を明らかにすることができなかったバドエルですが、いつか……と思いたいです。
さてさて、隠密行動といいつつ、全然隠密になってませんでしたが(ローゼに話しちゃだめだよねー)、いつもながらの活躍を見せてくれて、同時に問題点も気づいてきたので、今後は内部の政治的なお話が続くのかな?個人的には、ルシリアとチェザーリ物語が読みたいので、もう少しそっち側を厚くしてくれると嬉しいです。
ウェスタディアの双星 (3) (電撃文庫 (1654))
小河 正岳
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- ジャラル 2008-09-10 (水) 10:28
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ライト版銀河英雄伝説(笑)、ウェスタディアの双星の新作が出ましたが・・・内容は星間戦争はひとまず置いておいて、国内の海賊退治でした。
今回はラタント側と海賊側の双方に「双星」に嫉妬する人物を配置しているというのが新味でしたね。まあ秀才官僚的な軍人からすると、異例の出世している「双星」は許せない存在なんでしょう(実際の歴史でもナポレオンに嫉妬した貴族出身の士官とかいますし)。人材的には戦力になりませんが、チェザーリのルシリア、アルファーニのローゼのような存在にバドエルに対してのルチーナがなるのかな? まあバドエルが独身でプレイボーイするのも良いでしょうが、それだと「双星」ではなく「双璧」になっちゃいますから(笑)。
- deltazulu 2008-09-15 (月) 19:48
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ルチーノは、精神安定剤になりそうな気がします。意外にバドエルが尻にしかれたりして(笑)






