「……ですが今宵は、この一夜だけは、こうして同衾することを許して下さいますか?」
「ぅ、あ……?ど、同衾って、ただ一緒に寝るだけだよ、な……?」
「……はい、その通りです。勿論、秋晴様の気が変わられたのであれば、その先も…………」
「いや添い寝だけで十分だからっ!自分それだけでもお腹一杯ですから!」
メイドや執事になるための専科である従者育成科に編入した見た目ヤンキーな秋晴が、お嬢様方と繰り広げるドタバタコメディ第七弾。今回は、アニメ大好きな某国の王女ピナが同人誌を作りたいと言い出すお話と、素顔を見た秋晴を旦那様として接するアイシェ(侍女付)と無人島で一夜を過ごすお話と、朋美がお見合い話を断る理由に秋晴を持ち出すお話の三編が収録されています。
なんか物足りないと思ったら、深閑先生が出てきてないのか。
それはともかく、ピナの同人話。アニメに夢中になる姿は微笑ましいですが、同人誌をつくろうとするとはどんな王女様だ。でも自身の技量の無さを自覚してるだけ、某理事長よりましか。引っ張り込まれた秋晴が、何気に面倒身良くて、微笑ましくなる。
ここで一番良かったのは、友だちと呼べる存在がほとんどいなかったピナに、みみなという友人ができたことですね。いや、みみながどう思ってるかはわかりませんが、引っ込み思案な自分を庇ってくれて、かつ同好の士として引っ張り込んでくれたピナを少なからず思ってるんじゃないかと感じました。
年齢差激しいけど、この二人ならいい関係になってくれるよね、とそう思います。
今回の巻では、セルニア分がちょっと足りないんですが、秋晴とアイシェが一夜を過ごすお話では、なかなかにやりとさせられるものがありました。突如従育科試験のパートナーに名乗りを上げたアイシェと秋晴が何をするのか、気になってしょうがないのに、必死にツンツンする姿が可愛いねぇ。
できればもっとジェラジェラしてくれたらと思ったけど、一応アイシェ話だったので、しょうがないか。
っていうか、アイシェ話は、お付のヘディエが前面に出てきてしまうので、笑える面白さはあるんだけど、ラブ要素が物足りなくなっちゃうんだよなあ……と言いながら、ベットに入り込んだアイシェの囁きにドキドキしまくったのは内緒。すげえ、破壊力だったなあ(何が?)。
個人的には最後のお話が好きでした。朋美の元にお見舞い話が舞い込んで、それを断るべく、恋人がいるという設定を考えて、秋晴とシミュレーションしちゃうところが、もうドッキドキ。
「いつから付き合ってるんだ?」
という仮想質問に対して、必死に考えながら、答えを探す秋晴がだんだんと……な気持ちになっていくところとか、あたふたする秋晴を冷静に見ていたはずの朋美が、キスの練習をしてみようと言い出す心情になるところとか、うふふとなる。最後のリベンジも素敵でした。
いやあ、いつもどおり、まったくもって素直になれない乙女たちだなあと思いながら、楽しませてもらいました。
次の巻では、文化祭っぽいものをやるってことなので、またいろいろニヤニヤさせてくれるんだろうなあ。とても楽しみですね。
れでぃ×ばと! 7 (7) (電撃文庫 こ 8-13)
上月 司
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