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[高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 3

「私たちが受けた任務は、ギリシャ勢力が積極的に行っているイルフィニ収集の妨害だ。そして今日、アルテとの接触があった。アルテはまだこの近辺に潜み、イルフィニの情報を求めて再びお前たちを狙ってくる可能性が高い。そこで、私たちもこの地域で待機するのが効率的だと判断してだな……」
長くなりそうだと思ったのか、ミリカが遮った。
「もー、正直に言えばいいじゃないですか。ここに泊めて欲しいって」

ハテシナという異界の住人である神一郎と美琴が、ハテシナの悪人たちから、藤堂家の双子の姉弟を守るお話の第三弾。今回は、北欧勢力のレッテが再び藤堂家にやってきて、居候をするお話です。

レッテ再び、なお話ではありましたが、そっちよりも気になるのが、春菜と神一郎の恋の行方ですよ。どちらも意識はしているのに、恋とまでは思っていないみたいだから、何とももどかしい。みんなで遊園地に行ったときのシーンとか見たら、もうどう見たって恋人同士だろうに。あのときの美琴には、グッジョブといいたくなりました。

まあ、神一郎は罪悪感を持ってることもあるから仕方ないところもあるんだけど、春菜は……やっぱりコンプレックスを抱えてるから、いい雰囲気になっても踏み込むより、それを壊したくないという方向に行っちゃうんだろうなあ。親友の恋を知ったときも、つい我慢してしまう姿に、切ないものを感じました。

まあ、そんな乙女心を神一郎が感じ取れるわけないですが、そのあたりをホームステイしてたレッテがフォローしてくれたのは良かったです。いつか敵対することがあるかもしれないけれど、この藤堂家にいる間は、仲良くやっていってほしいなと思いました。

そんな中、例によって例のごとく、クサナギやヤサカニを狙うものたちがやってくるんですが、ギリシャ勢力、北欧勢力、さらにはギリドルたち吸血鬼もやってきてと、様々な勢力が入り乱れてくるから一体どうなっちゃうのかとワクワク。何ていうかピンチのときでも笑って皮肉を言い合える連中ってのは、何かしでかしてくれそうで、格好いいですよね。

それにしても、毎回毎回やられるために出てくるギリドルたちが、まさか役に立つとはなあ。なんで出てきたんだよと思ったけど、こういう結末を持ってきてくれると、ポンとひざを打ってしまいました。お見事です。

いやあ、面白かったなあ。親友の恋を知ったことで、自分の思いを自覚し始めてきた春菜がいてくれて。神一郎となら一緒に歩いていきたいと思ってくれたら嬉しいですね。まあ、神一郎は抱えてるものがあるので、なかなか難しいかもしれませんが、神一郎もそろそろ目を背けないで欲しいな。

藤堂家はカミガカリ 3 (3) (電撃文庫 た 21-3) - 高遠 豹介

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