「ひなたちゃんのこと嫌い?」
「まさか」
「なら、好き?」
「……よくわかりません」
世間から白い目で見られるムーンチャイルド。その特殊な力を隠しながら、学校生活を行う宗太の前に、巨大な力を持ちながら目の見えない、天真爛漫な少女ひなたが現れて、というお話の第二弾。今回は、ひなたに告白された宗太が、自分はどうしたいのかと悩むお話です。
ああ、なんとももどかしい。ひなたが一生懸命なだけに、宗太が気まずくなっていくのか、手に取るようにわかります。自分はクラスメイトである千歳が好きなはずなのに、と心揺れてる時点で、もうひなたに惹かれてるんですよね。
初めての制服姿、初めて手にした携帯電話でのやり取り、初めての学校行事、初めての花火と、ひなたが楽しそうに笑顔を見せるシーンは、宗太でなくても目を引くものがある気がしますが、その笑顔や好意が、宗太に向けられるんだから、そりゃもう!
自分がクラスメイトだったら、うらやましいという気持ちよりも、ひなたに対しては頑張れ!と応援をしたくなるでしょうし、宗太に対しては悩んでる姿を見てニヤニヤしたくなるだろうなあ。
さりげなくひなたをバックアップする京先輩の気持ちがとてもよくわかる。
とまあ、日常方面は、ニヤニヤしっぱなしですが、迫害されているムーンチャイルドが事件を起こすというのは、前作同様で。話だけ聞いてると、追い詰められて仕方なく的なものを感じるがゆえに、いろいろやるせないものもあるんだけど、それよりなにより「かぐや姫」の秘密が見えてきたのが、今回の一番の出来事ですよね。
まだまだわからないことだらけだけど、かぐや姫の研究が進んでいないことや、もうひとりの「かぐや姫」の登場したことから、ひなたと宗太が巻き込まれるであろう先行きに不安がよぎります。
それでも、最後がとろけるほど甘かったのはよかったなあ。願わくば、この幸せな時間が続きますように。
Kaguya 2―月のウサギの銀の箱舟 (2) (電撃文庫 か 14-5)
鴨志田 一
アスキー・メディアワークス(文庫)
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