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[佐野しなの] 僕は彼女の9番目

「わたし、あなたに、差し上げたいんです」
目が合った瞬間に素敵発言。女の子の言い方はのんびりとしていて、なんの照れもない。
「ご要望をお聞かせ願いませんか?いっとう欲しい物、あるでしょう?どうぞ、なんなりと」
『突然目の前に現れた美少女が俺にとってどこまでも都合のいい事を言う』― 夢か。
「じゃあ、……君が欲しい、……から、しばらく、そばにいて欲しい」

ひき逃げした相手は、サンタクロースだった。ってことで、お詫びに何でも願いをかなえてくれるという美少女サンタクロース・黒須にこら(主人公銘々)に、寝ぼけて「君がほしい」と言ってしまい……、世間知らずな天然サンタクロースと共に過ごすことになった高校生・木蔦東司のお話です。

ああっ女神さまっ」な始まりでしたが、サンタであることがバレたら存在が消えてしまうというのに、天然すぎるにこらのおかげで、東司がいろいろフォローしていくという展開は、それなりに楽しくあるものの、ちょっと軽すぎて、いまいち乗り切れませんでした。が、幼なじみである柊美早子が出張ってきてからは、楽しくなってきました。

ツンとした態度を取りながら、幼なじみらしい距離感も見せてくれて、とっても良かった。東司も東司で、彼女には自然な態度で接してて。なんていうか、にこらと東司の関係は、恋とかよりも家族的なものがあるので、東司と美早子の関係が描かれてると、嬉しくなってしまうものがあります。

ヒロイン的存在でありながら、恋愛方面では、あまり活躍してないようなにこらですが、サンタという存在から、人の役に立ちたいと思いながらも、どこかズレていた彼女が、東司や美早子、東司の親友・誠也とその家族に触れ合うことで、人の関係を学んでいき、「自分の代わりはいくらでもいる」という寂しい考え方から、抜け出していくところは、とても良かった。

にこらと一緒にいられるのは「約束の日」までとなっているので、別れは決まっているようなものかもしれませんが、まだまだ時間はあります。にこらの成長を見つつ、東司や美早子の関係を描いてくれたら、嬉しいですね。

僕は彼女の9番目 (電撃文庫 さ 12-2) - 佐野 しなの

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