「逃げるんじゃない」
大河の声が、少し大きく辺りに響く。
「みのりんのことが、それでも好きなんでしょ?みのりんがあんたに向けていた想い、みたいなものを信じてるんでしょ?だったら、逃げたらだめ」
クリスマスイヴの出来事にショックを隠しきれない竜児が、ギクシャクしながら迎えた新学期。普段と変わらないみのりんの真意がわからぬまま、修学旅行が始まって……というお話。
これは……胸が痛くなるようなお話でしたね。人を好きになるって、ほんと重いんだなあと思います。竜児の様子には、悲劇のヒロインっぽい痛々しさを感じることもあるんだけど、好きな人の笑顔に、思わずこみ上げてくるところには、揺れる心が伝わってくるものがありました。
でも、大河といるときの様子を見ていると、やっぱり竜児は……って思いますよね。特に今回はひとり立ちしようとする大河に寂しさを覚えたり、大河の励ましに支えられたりしてて、そこまで大河を信じてるのに、なぜ気づかぬのか不思議に思うほどでした。そりゃみのりんも……とか思ったけど、みのりんはみのりんで、なかなか心の中を見せてくれないからモドカシイ。
この三人の様子を外から見てたら、勘の鋭い亜美みたく、バカバカしく思えてしまうのかもしれませんね。と思いきや、つい冷静でいられなくなってしまったのは、やっぱり、竜児を少なからず思っているからなのかなあ。みのりんにつっかかった亜美の姿を見ていると、ひょっとしたら悔しかったのかもしれないと思ってしまいました。
四者……というよりは、ほぼ三者か。竜児、大河、みのりんの三人のギクシャクしながら、つかず離れずを繰り返して、よりによって聞いちゃいけない話を聞いてしまい……というところで、自分はどうすればいいのだろうと悩む姿は、ほんと苦しくなりますね。
個人的に一番心にきたのは、大河の失恋大明神への願いです。あれはきつかった。今まで、どんな思いで竜児を応援してたのかが見えてきてやるせなくなる。その応援を受けていた竜児にしても、新たな悩みが加わることになるわけですが、これが自分を見つめなおすきっかけにもなるのかなあ。
それより何より、自分の行動が、結果として何を生み出してしまったのかを知ってしまった例の人は、流している涙とどう折り合いをつけていくんでしょうか。そろそろこの人の思いのはっきりしたところを見てみたいですね。
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