十三年前。『天使』は、この世の滅びを予言し、救世主となる女の子を残していった。だが、殺ヶ原保にとっては、救世主云々と関係なく、彼女は大切な義理の妹だ。涙もろく、でもよく笑う女の子として、健やかに成長しためしあは、今日も保と、クールな姉の錬子、ファンキーな妹の蛍雨と共に、学校へと向かうが……
他人の心の傷を請け負うことのできる不思議な力を持つ少女めしあと、彼女を守る殺ヶ原家の子供たちとの家族物語+彼女を狙うものたちとのバトルものです。
まあ、バトルのほうはおいといて、めしあが可愛いなあ。殺ヶ原家のみんなから愛されてて、それに応えるように素敵な笑顔を見せてくれて。たとえ、救世主という立場や力がなくとも、家族だったら、守ってあげたくなりますよねぇ。岩田さんの書く笑顔って、ほんと心が温かくなる。
でも、決してはじめから仲が良かったわけじゃないんですよね。特に、その才が故に鬼子と言われていた末っ子の蛍雨は、めしあが来たころ、家族を取られてしまうような気がして、時に憎しみまで見せるような勢いで。心優しいめしあとしても、そんな態度をとられたら、怖くなって、気づけば二人の間に、大きな溝ができていたんですが……、とある出来事をきっかけに、仲良くなっていく過程が、すっごい良かったです。
家族物語としても素敵だけど、友だちのお話としても良かったですよねぇ。人に好かれても、学校から外に出れば、危険極まりないため、友達と遊ぶことすらままならなかっためしあが、初めて家に友人を連れて行ったときのお話には、涙が出そうになりましたよ。
いや、連れてこられた本人は、友人として来たつもりはないんでしょうけれど、でも保や錬子などの殺ヶ原家の様子や、めしあの優しさに触れていくうちに、いつしか心開いていくところが良かったです。
まだ素直じゃないけれど、めしあのために、いろいろやってくれるヴァー子は、今後もいい活躍をしてくれるといいなあ。
いやあ、面白かった。
存在が存在なために、暗い物語になりそうなところもあるんだけど、そこを家族や友人の温かさで、明るくしてくれる展開がとてもいいです。家族だけのお話になると、ブラコンな姉&妹のコミカルな様子が見れたりするのも、楽しいですよね。
いきなり、ラスボスじゃないけれど、大きな敵対する存在が出てきましたが、これまた複雑な相手だけに、「力」だけでは勝てないだろうから、今後も苦労するんだろうなあ。でも、いつか、そういった殺伐としたものではなく、平和な形で、全員が幸せになれる道をつかんでほしいと思います。
めしあのいちにち
岩田 洋季
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