今日は燃えるゴミの日。だがわたしが捨てたのは、燃えないゴミなのだ。
回収に来る人間の、怒りに満ちた表情がありありと浮かぶ。その感情がサタン様を喜ばせるとは知らず、グチのひとつでもこぼすのだろう。
知らぬが仏、とはこのことだ、バカめ!
小さな悪からコツコツと。それがサタン様のモットーなのである。
神との戦いに敗れたサタン様の力を取り戻すために、この世を悪意で満たそうと、ささいな悪事を重ねるサタンと使い魔リリスの物語です。
もうにやけっぱなしでしたね。悪事を働くといいながら、燃えるゴミの日に燃えないゴミを出す、といった具合に、やることなすこととってもセコクて、でもそれが使い間としての仕事だと、せっせとせっせと姑息な悪事を働くリリスが、すっごい可愛いです。
引きこもってクソゲームばかりやってるサタン様(時間の無駄という悪事を働いてる)の世話を甲斐甲斐しくしたり、サタン様のやることすべてを超贔屓目で褒め称える姿も、おバカにみえないところが素敵すぎますね。
で、あるとき、サタンとリリスが、とある人物の生まれ変わりと思われる男子高生・愛沢と出会ったところから、学園もの……っていっていいのかなあ、みたいな感じになっていくんですが、サタンを思ってのリリスの行動が、ことごとく愛沢にとって、意識させる行動になってるところが、面白かった。しかも、リリスは天然無自覚女なので……ねぇ?
なんか途中で愛沢くんが可哀想になってきたのは内緒。
リリスと愛沢、それに二人の仲を邪魔しようとする委員長と、けしかけるサタンってことで、このあたりのやり取りが、時にプッとしちゃうような、和やかで楽しいものだったんですが、天使とか悪魔話……というか、悪魔同士の戦いが始まっちゃってからは、うーん、ちょっとなあと思ったり。
とはいえ、いろいろあったあと、リリスとサタンの間に見えた温かさはホント素敵で、いつまでも見ていたいものがありました。次は、バトルとか無くていいから、短編でいろんな物語を見せてくれるとうれしいかも。
第14回電撃小説大賞最終選考作。
リリスにおまかせ!
麻宮 楓
アスキー・メディアワークス(文庫)
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