「やあ、久しぶり……〝二巡目の世界〟の夏目智春。それに操緒と奏か……若いな。二人とも」
『直貴くん……!?』
「なんで、あんたがここにいるんだよ!?」
幼馴染の水無神操緒に取り憑かれた夏目智春が、兄・直貴の残した「イクストラクタ」を手にした事で、世界の真実へと立ち向かうことになるシリーズの第十弾。今回は、操緒の姉・環緒を狙うものが現れて……というお話。
いろいろ見えてきましたねぇ。一巡目、二巡目の話もさることながら、操緒のお姉さんの秘密を知ったときには驚きましたよ。智春のお兄さんである直貴もまた同じような秘密を抱えてて、なるほどなるほどと頷きまくり。
まあ、そこに至るまでが結構長かったですけど。事情を話そうとすると、敵の手が伸びて……という連続には、もどかしさを感じつつ、そのスピーディなアクションに引き込まれました。ほんと面白いな。
今までも、いろいろあったけれど、それでも「日常」からぎりぎり離れることがなかったような気がするんだけど、それが壊れたのはやっぱり、帰るべき家がなくなってしまったからかなあ。そういう意味では、今までと同じようで、でもさらにひとつ重い話だったような気がします。
っていうか、例の人が倒れただけでも愕然としそうだったのに、嵩月の非在化が進むは、操緒の存在がやばくなってくるは、更には、目的を適えるために、他の事をすべて犠牲にした人の真実が見えてくるわの怒涛の後半にやられました。
「どうして同じ過ちを繰り返そうとするのかな……」
という、かの人の言葉は、むしろ智春が言いたいことだったでしょう。あまりにも辛く、切ない出来事でした。ああ……。
多くの謎が明かされたものの、これからいったいどうなってしまうのかと不安に思っていたら、ラストはまさかまさかでしたねぇ。こっち側に行くとは思ってもいませんでした。
始まりの世界で、智春がどう行動していくのか見ものですが、願わくば悲劇を回避してほしいですね。
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