「いや、その……なんで甘楽さん、そんなの持ってるのかなあって思ってさ」
オレが苦し紛れにつぶやくと甘楽さんはそれに答えた。
「だって私、恋の神様なのだ」
両親の仕事の都合により、田舎へ引っ越してきた一之瀬真哉が、三百年で三百組のカップルを作ることを目標とした恋神の一族の跡を継いだ香野甘楽と出会って……というお話なんですが、思わず、クスっとかニヤリとかしちゃう、ほんわかしたラブコメですね。
クラスメイトが恋の神様ってのはともかくとして、自称されたことをあっさり信じるところに、真哉の人の良さを感じますが、ちょっとおバカと思わなくもない。その人の良さから、ついついドジっ子な甘楽の面倒を見ることになって、気づけば一目ぼれしたクラス委員長の樒莉奈に誤解されて……という展開が、何ていうか楽しいというよりは、微笑ましいかな。
これだけ仲が良くなってるのに、気づいてないのは自分たちだけという雰囲気がすごい良かったです。
ただ、できれば、もうちょっと他人の恋を盛り上げるようなものがあってほしかったかなあ。せっかく恋の神様らしい、ちょっとした「力」があるのに、それがまるで活躍しないってのも、ある意味正しいんだけど、でも物足りないものもありました。っていうか、あのグダグダな恋の作戦はどうかと思うよ。まあ、そのおバカなところを楽しむと言われたら、そうではあるんだけど。
とはいえ、三百組のカップルが成立しなかったらどうなるかってところから、自分の思いに迷いが生まれ始めてくるところは、良かったなあ。コミカルな方面じゃなくて、むしろ切ない方面に行ってくれたら……とか、従姉妹の早苗ちゃんがもっと絡んでくれたら……と思うのは、単に僕の好みの問題ですね、はい。
いつか、こいまち!
長谷川 昌史
アスキー・メディアワークス(文庫)
Amazon | bk1 | 楽天
Home > ライトノベル > [長谷川昌史] いつか、こいまち!
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2417
- Listed below are links to weblogs that reference
- [長谷川昌史] いつか、こいまち! from booklines.net




