Home > ライトノベル > [高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 2

[高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 2

「このウチデノコヅチは、感情の大きさを変えるイルフィニなんだ。ま、あくまで限定的なものだけどな」
「なーるほどねえ」
「教えろよ」
「昨夜春菜ちゃんは、そこのアフロをゴキブリと間違えて悲鳴をあげたでしょ?それで一番に助けに来たのはあんた。つまり、その時春菜ちゃんが抱いていた感情は『神一郎を頼る』って感情だったわけ。それで、春菜ちゃんはその小槌を振った」
「……で、その感情が大きくなっちまった、と」
「そーゆーこと」

鞘から抜けないクサナギとデッキブラシを武器に、神一郎と美琴が、ハテシナという異界の悪人たちから、藤堂家の双子の姉弟を守るお話の第二弾。今回は、藤堂家の姉・春菜が、ウチデノコヅチの力により神一郎に甘えることになってしまい、彼女を戻すために、何者かに狙われているというアフロな小人を守っていたら……というお話。

ああ、春菜が可愛い。神一郎にからかわれたら、真っ赤になりながら怒る姿もいいんだけど、頼り切って、「神一郎さん」と声をかけてくる春菜もいいです。小槌のせいだとわかっていながらも、平常心を保つのに苦労する神一郎を見ていると、美琴じゃなくてもニヤニヤしちゃいますね。

で、春菜を元に戻すために、何者かに狙われているというアフロなダンサー(でも小人)のホウジを守ることになったんですが、彼を狙うものが、同郷たるハテナシだから困ったことになるわけで。

しかも相手は十二単を着た少女アオイと(表紙イラストの子!)、軽薄な男ケンジのコンビ。男はどうでもいいとして、アオイがなかなかいい具合にツンしてて、うふとか思ってたら、まさか、そんな武器だとは。イラストに描かれてるのに、脳がフィルタしてたみたいで、まるで見えてませんでした。でも、よくよく考えると、十二単でショットガンとか、素敵な組み合わせですよねと思ってしまうあたり、我ながらおかしいと思う今日この頃。

それはともかく、なぜホウジは同じ勢力から狙われることになったのかという謎から、アオイたちの置かれた状況がだんだんと見えてくるんですが、彼女たちの事情もまた見えてくるから、物事が難しくなってくる。
神一郎と美琴だったら、このぐらいの相手だったら、それほど苦労しないですむのに、どうしても、必要以上に力を出せず……哀しいお話になってしまったのは、やるせないものがありました。ただ、好きな人のためにと、それだけを願っていただけなのに。

待ち受けた悲劇には、哀しいものがありましたが、最後の戦いを終えた後に見せてくれる雰囲気は、このお話の一番の魅力だと思いました。この町に来てよかったと思える町の描写に、この家に来てよかったと思える家族な描写に、温かい気持ちでいっぱいです。

いやあ、面白かった!
ラストの傷に不安が残るんだけど、さあ、どうなるんだろ?続きが楽しみです。

藤堂家はカミガカリ 2 (2) (電撃文庫 た 21-2) - 高遠 豹介

藤堂家はカミガカリ 2 (2)
高遠 豹介

アスキー・メディアワークス(文庫)
Amazon | bk1 | 楽天


関連エントリー
[高遠豹介] [藤堂家はカミガカリの感想一覧] [電撃文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 2

Trackback:2

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2412
Listed below are links to weblogs that reference
[高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 2 from booklines.net
藤堂家はカミガカリ(2) from Alles ist im Wandel 2008-05-14 (水) 00:01
藤堂家はカミガカリ 2 (2) (電撃文庫 た 21-2)高遠 豹介 アスキー・メディアワークス 2008-05-10売り上げランキング : 529Am...
[現代異能バトル][ラノベ]藤堂家はカミガカリ 2 from 愛があるから辛口批評! 2008-06-28 (土) 19:01
藤堂家はカミガカリ 2 (2) (電撃文庫 た 21-2) 作者: 高遠豹介 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス 発売日: 2008/05/...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [高遠豹介] 藤堂家はカミガカリ 2

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top