過去の武勲に対する賞賛は、未来に対する期待のあらわれでもある。
バドエルとアルファーニに課せられた新たな使命は、過去の偉業の難度を下まわるものではなかった。
「ラミアム大公国を攻略せよ」
チェザーリがふたりの英雄に下した命令がそれである。
修道院という閉ざされた世界で平和に生きてきた優しき少女ルシリアが、外務卿たるチェザーリや周囲の力を借りて、崩壊寸前の国を立て直そうと奮闘するお話の第二弾。今回は、大国ルフェール共和国の信用と助力を得るために、ラミアム大公国を落とすべく、ウェスタディアの双星が動くお話です。
相変わらず漫才やってるバドエルとアルファーニのコンビですが、そこに苛烈さで有名なジェルトルーデ隊の次期跡継ぎである少女ローゼが入り込んでくるから、もっと面白くなってきた。猪突猛進なんだけど、意外に策士なところもあるので、先日のアルドゥオの決戦で、アルファーニの策を知った少女が、ベタ惚れしてくれるから、笑ってしまいます。惚れすぎな態度は時々怖いけど。
そんなこんなで戦力も新たにして、ラミアムを目指すんですが、ルフェール共和国から突きつけられた条件が、選挙に間に合うべく、二十日以内に攻略しろというんだから、大変なんだ。
ただ勝つだけだったら何とかなったのに、政治が絡んだおかげで、思うように戦いを進められない苛立ちみたいな展開があって、さらには、こちらに英雄がいるならば、ラミアムにだって英雄がいて。防戦の名手といわれるユリアヌスを相手取ることになって、タイムリミットが近づいてくるから、どうする、どうなる?とワクワクです。
戦力差があるなら分断させるべく情報を使い、兵士たちの心理を使用した囮まで放ち、一進一退を繰り広げていた中、更なる勢力が入り込んでくるとは思わなかった。いやあ、大国がやってくれる!
ここからの二転三転する展開は、まさに手に汗握る戦闘で、戦場の生き物っぷりが堪能できてただけに、正直もっとがっつり書いてほしかったなあ。
大国には大国ならではの悩みみたいなものがありましたが、敵・味方関係なく、兵を率いる将レベルの人たちの格好よさは、すばらしいものがありました。今回の戦いで、大国ロアキア軍のオリアスは、バドエルとアルファーニをきっちり意識するようになったと思うので、このあたりがどうなっていくのかは、楽しみですね。
いやあ、面白かった。
宇宙での話がメインであるため、地上にいるルシリアとチェザーリの出番は少ないんですが、それでも印象深いやり取りがいくつもあって、ニヤニヤしちゃうものがありますね。特にラスト。今まではやり込められてばかりだったルシリアが、チェザーリをからかうような態度を見せてくれたのは、ほんと楽しかったです。いつかふたりが……そう思いたくなりますね。
ひとつの戦が終わったことで、政治的な動きもだいぶ活発になってきたような感じがしますね。ひょっとしたら、次は政治方面が動いてくるのかしら。どちらにしても面白くなりそうなので、楽しみです。
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Comment:2
- ジャラル 2008-05-11 (日) 14:27
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「神無き世界の~」がやや暗い銀英伝とすれば、こちらは明るい?銀英伝(または、お気楽『でたまか』)ですかね? 戦術判断に優れるバドエルと作戦家アルファーニに加わるジェルトルーデ隊は、銀英伝の「黒色槍騎兵」的な役割ですが、指揮するのは猪武者のビッテンフェルトではなく、美少女ローゼちゃん。今回は顔見世程度であまり活躍できませんでしたが、今後の巻で今回のタイトル通り「幸運の女神」になるのか、楽しみですね。
- deltazulu 2008-05-11 (日) 19:58
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色こそ違えど、あの設定だと「黒色槍騎兵」を思い浮かべますよね(笑)
副題ほどの活躍が無かったのは残念ではありますが、今後が気になる少女でしたね。もちろん、アルファーニとの行く末も、ですけど。








