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[有沢まみず] ラッキーチャンス!3

「あのな、わたしはお前を幸せにするって言っていたな?」
「う、うん」
「アレ、止める」
「え~~~~~~~~?」
思わず雅人が声を上げると、キチは嬉しそうに言った。
「違う!わたしはお前をただ幸せにするんじゃない。これからは『とびっきり幸せ』にするんだ!」

日本一不運で、貧乏な霊能者である外神雅人と、疫病神から転職した福の神の女の子・キチが繰り広げる学園ラブコメシリーズ第三弾。今回は三編が収録されています。

  • 何もかもが不幸な星周りになる日に、雅人が二之宮さんに呼び出される「二之宮さん、あなたがいれば!
  • 校長が行方不明になったと思ったら、いつの間にか雅人の外見がむさい校長の姿に……「どんまい、サモン=時二郎!
  • 雅人とキチの間に、あんなことやこんなことはあるのか気になった沙代が、彼らの仕事にこっそりついていく「天草沙代、もう一度!

こういう和やかな気持ちになれるお話はいいですね。だんだんと嫉妬のような気持ちを覚え始めたキチだけど、雅人にゴロゴロと懐く姿は、まだまだお子様にしか見えなくて、とても愛らしい。「マサト!」という言葉で、彼女の気持ちが見えるぐらい、まっすぐさが心地よいです。

同じく雅人に好意を寄せているであろう二之宮さんも、だんだんと積極的になってきましたねぇ。なんせ、お弁当を作ってきちゃうんだから、素敵に乙女です。雅人のいやんな姿を目撃しちゃってもめげないあたりは、あれですか、変態なお兄様がいるおかげで慣れちゃったんでしょうか。ひょっとしたら、彼女もなかなか曲者なのかもしれませんが、お約束な終わり方が、ほんと楽しい。

二話目は、「いぬかみっ」時代でも良く見かけた男×男ものというかなんというか。体入れ替わりネタが、こうもモホモホするのは、なんたることでしょう。中身が雅人とキチだとわかっているんだけど、外見(イラストで)見ると、校長とマサトだから、あわわあわわなんですが、不思議と楽しいから困ります。何が困るかは聞かないように。
そういえば、新たな魔人の少女トトが出てきたけど、これまたキチのライバルになりそうですねぇ。うふふ。

そして、なんといっても楽しかったのは、「天草沙代、もう一度!」です。雅人とキチがイケないことしてるんじゃないかと妄想たくましくするのはいいとして、そもそもイケないことってどいういうことするんだろう?とエッチな本で勉強するあたりは、真面目なんだか、なんなんだか。

ぷんすか文句を言いながら、二人を監視しつつ、時々悶々とする姿は可愛いんですが、それ以上に良かったのは、雅人とキチの様子を見て、微笑んだところですね。背負うものが大きすぎて、肩肘張りすぎていた少女の素顔が見えたところが、すごい良かったです。まだ、彼女の家の方面については、明かされてないことが多いですが、このあたりは、いずれ見えてくるでしょう。

そのときは、力になってあげてよね、雅人、キチ!

ラッキーチャンス! 3 (3) (電撃文庫 あ 13-22) - 有沢 まみず

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