ああ。
そうか。
そういうことだったんだ。
僕は真実に気づいてしまった。
本当の空想病罹患者が — 誰なのかということに。
発作を起こすと、自分を映画や小説の主人公のように特別な存在だと思い込み、その妄想に支配される「空想病」が世界を動かすボーイ・ミーツ・ガールの第三弾。今回は、暑い盛りのクリスマス。結衣さんとふたりで過ごすべく準備をしていたら、米国の空想病の研究所から所長がやってきて、景に会いたいと言って来た。ところがその所長とは、十一歳の少女で……というお話。
おおおお!まさかこんな展開が待ち受けているとは!
結衣さんとの距離が曖昧で、青井との距離も決めかねていたからか、米国からやってきた空想病の研究所のワガママ所長・メアリーを相手に、景が大人気ないことしてるなとニヤニヤしてたら……一瞬にして足元が崩壊した。ほんの今の今ままで、幸せなひと時を過ごしていたのに……もはや何を信じていいのか分からない状況に、軽い混乱を覚えて、「え?」と声を出してしまいました。そこからはもうページをめくる手が止まらない。いやー面白いわ。
仲西景は本当にいたのかというところから始まり、ぞわぞわさせられて、途中メアリーが結婚話を持ちかけたあたりでようやく気づいたんですけど、それでも思考を立て直すまもなく、物語と空想病の展開に引きずられて。まさか「空色パンデミック」まで利用するとは思わなかったですよ。
すべてをひっくり返しながら、必死になって自分を探す道のりは、下手なホラーよりもゾクっとくるところがありましたけど、「あとがき」の言葉を胸に、決して諦めない主人公が戻ってきて、結末を迎えてくれて、ほんと良かった。
まあ、その結末もいろいろあったりするんだけど、最後の最後にまたやってくれて、クーとなりました。とてもとても面白かったです。
空色パンデミック3 (ファミ通文庫)
本田 誠
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