「そなたは、なにもいってはくれぬのか……?」
「だって、あたしはァ……」
「予の、友だちであろう?」
選宮女制度により、後宮の尚功香班(お香係)に属することになった並外れた嗅覚を持つ露露の甘い恋と陰謀に巻き込まれる物語の第三弾。国王崩御により、寒月の役目も終わりが見えてきたとき、露露は寒月からプロポーズされたが、ドキドキも束の間、後宮に不穏な空気が流れて……というお話。
今回は、露露を思う人の気持ちがいろんなところで見られたなあ。寒月が惚れていたのは知っていたけれど、あんなにも思っていたなんて。こうなると、ちょっと可哀想だけど、蓮順は弟でいいよと思ってしまう僕がいる。友だちという言葉は、今のところぴったりくると思うけれど、もしかしたらもしかしちゃうのかなと、もやもやしつつ、ドキドキする。
それはともかく国王が崩御すると、動き出すのは権力を求める人たちで。しかも自らの力を示すのではなく、上にいる人の足を引きずり下ろすことに躍起になるから、醜く感じますよね。父の死をきちんと受け止めきれていない志龍の思いを踏みにじろうとする輩は、まったくもってアレでしたが、黒幕がまさか……という展開にびっくりでした。おのれ騙された。
都合の良い論理を用いて正義と語った者の末路はアレですが、後宮が解散されることで、露露が自分の未来を考え始めたのは良いことだと思います。寒月と一緒にいたい気持ちと、もっと学びたいと思う気持ちと。考えて出した結論が、実を結ぶと良いですね。きゅんとする切なさも、きっと成長の為に必要なことだと信じてる。
と思っていたら、なんですかあのラストは……
花は後宮にあり! 後宮解散と届かない手紙 (B’s‐LOG文庫)
高丘 しずる
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