「ひとつだけ教えてあげるね。どんなに辛くても、悲しくても、乗り越えることができるって、あたしは知ってる。そういうふうにできてるんだよ」
(……人とか……魔族が?)
ううん、と、彼女が、首を振るような気配。
「初めからそうなわけじゃない。相手を信じる気持ちが、そういう力を生むの」
落ちこぼれの魔法使いスウェナと、人型になれるドラゴン・メリルの子供たちであるセツ(魔属)とフィーナ(半魔)が繰り広げる恋物語。フィーナの資質が危険を呼び寄せることを知った家族が、彼女を守るにはどうすればいいか迷い始めて……竜と人の恋を描くフィーナ編完結です。
ああもう涙がじんわりくる。 誰が悪いわけでもないのに、フィーナを救うための打開策が見えず、フィーナも家族や好きな人に負担をかけることを苦しんでというシーンが、何とも遣りきれない。個人的にはスフィナは強引に思わなくも無かったけれど、母としてはやはり耐えられないか。
見えない未来は怖いし、焦りと不安から、情緒不安定になることもあるけれど、愛する人や家族が、自分を支えてくれていることに気づくあたりに、フィーナの成長が見えました。
彼女の決意は正しいものだと思うけれど、だからといって不安がないわけではないし、何より、大切な友を危険に晒す事になるから、そのことに気づいたときには、じわじわです。でも、すべてが終わったとき、温かな思いを抱けるお話でした。良かったです。
これでフィーナ編は完結らしいですが、次は失恋男(?)セツのお話になるそうです。彼の恋はどうなるのか、楽しみですね。
失恋竜と契約の花嫁 -この世界の誰よりも- (B’s‐LOG文庫) (ビーズログ文庫 わ 1-11)
渡海 奈穂
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