「それが『負けられない』じゃなくて『負けたくない』になったんなら、出ればいいと思うな」
「『負けたくない』?僕が葛城さんにですか?」
「そう」
「そんなの無理に決まってます」
「そうかなぁ。わたしは全然そんなことないと思うけど」
金魚姿の土地神・水穂が力を得るために、個性豊かな三つの高校を合併したら、それぞれの生徒会がぶつかり合い……二校の生徒会に振り回され、泣き言をいいながら、平凡な男・向坂が間をとりなす学園物語の第四弾。今回は、向坂水穂の正体を葛城まどかが知ってしまい、気まずい空気の中、体育祭が始まるお話です。
これはよかった。
やっぱり学校のイベントを盛り上げて行くって楽しいです。特にホシ高がメインとなって動き出す「戦争」とも言うべき体育祭は、切り盛りする生徒会がどれほど大変なものかと思いますが、やり遂げる一致団結さを見てると、もう完全に仲間ですよね。というより、この三高の生徒会が集まったからこそできたんじゃないかと思います。
目立つのはいつもの人たちばかりだったけれど、まさに生徒一丸となったんだろうなと思えて、たまらない気持ちになる。
そして、忘れてはならないのは、向坂水穂の正体を知ってしまった葛城さんとの話。動揺一つ見せなかったのは、むしろ心の痛みから逃げるためと見えてくるあたりはもう……。
そんな彼女を前にして、なにも出来ない歯がゆさと、それでも何かしたいと思い、動く恵の距離が、縮まっていくところが良かったです。
水穂さまに訪れたピンチに対して、二人で向かったときの葛城さんはとても可愛く、きゅんとなった。
本当にいろいろあったけれど、そのすべてを包み込んで待ち受けていたハッピーエンドが、ほんと素晴らしかったなあ。この高校での出来事があったから、きっと恵もプロローグのような道をえらんだんでしょうね。あったかい気持ちになりました。
創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)
佐々原史緒
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