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[響野夏菜] 女神の娘の恋歌 暁は伯爵、黄昏は魔王

「望む結果が得られるとは限らないんですよ?」
ミーナはにっこりした。
「ええ、それはもちろん」
「そのにっこりは『だからって諦めてなるものか』に見えるよ。やれやれ」

人と妖魔の世界の境界にあり、怪異の多いことで有名なグメーラに、司祭としてやってきたミーナ。この土地を治めるナリスフレイは「魔王」伯と噂され、不安を抱えていたが、対面したら至って人当たりの良い人だった。ところが、伯の家令や村人たちは、祈りを求めながらも怯えていて……というお話。

これは楽しかった。
なんと言ってもミーナの性格がいいですよね。生来の気の強さから、困難や嫌がらせがあっても、常に立ち向かっていく姿が痛快です。ある秘密から司祭であるミーナを早く追い出したいという人たちを相手に、一歩も引かないやり取りがとてもよくて、彼女が頑張るたびに、よっしゃと思う僕がいました。

伯爵ナリスフレイと、彼の双子の弟であるレイヴェンが出てきたところで、大まかなからくりはみえてきますが、それは決して物語をつまらなくすることはなく、秘密がどう絡んでくるのかと興味津々になっていくんですよね。 特に妖しい魅力の危険な男であるレイヴェンとの邂逅は、こっちまでドキドキさせられましたよ。

司祭としての「祈り」が、グメーラに悲劇をもたらすかもしれないという事実は、ミーナにとって大きな衝撃だったと思いますが、力を目の当たりにしたレイヴェンが彼女に賭ける展開がとても良かった。信頼が生まれていく物語ってのは素敵でしょうがないです。

今回は、ミーナがグメーラに受け入れられるまでのお話という感じでしたが、ナリスフレイとレイヴェンという、全く違うタイプの男性が側にいて、ふたりとも少なからず思ってくれているし、ミーナも……ね。これは次以降、恋愛要素が絡んでくるんじゃないかとにらんでるんですが、どうなるのかな。楽しみに待っていたいと思います。

女神の娘の恋歌 暁は伯爵、黄昏は魔王 (ビーズログ文庫 ひ 4-1) - 響野 夏菜

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