「心葉先輩は、今でも素敵です」
「う~ん、あたしから見るとまだまだね。自分の気持をもてあましてるところとか」
真貴先輩が意味ありげに、ゆっくりと言う。
「変わってしまうことを、怖がってるところとか」
文芸部部長である心葉に惹かれ、彼に近づくために文学少女になろうとがんばる文学初心者・日坂菜乃が、恋と「心中」の謎に挑むお話の第二弾。今回は、合唱部の劇「フランケンシュタイン」に参加することになったら、まるで呪いのような出来事が連続して……というお話。
思い続けても、相手に届かない。人の思いって……苦しいですね。
それでも健気にアタックし続ける彼女の姿は、時にうざく感じることもありますが、心葉からしたら眩しかったんじゃないかなあ。思い人は遠くて、思ってくれた人を傷つけた彼からしたら、恋とかしちゃいけないような、そんな思いになっていたかもしれないけれど、体当たりな菜乃を受け止めざるを得なくなるところに、ホッとするものがありました。
で、合唱部のコーラスに合わせて、フランケンシュタインを演じることになった文芸部たちですが、練習中に呪いのような出来事が連続して、合唱部員たちが恐怖に陥る中、菜乃が謎解きに動き始めるんですが、謎そのものよりも、人の思いが見えてくる展開が、くるしかったなあ。
脚本と主役を務める事になった心葉と、ヒロインを演じることになったななせというカップルは、見ているだけで胸がきゅんとなるのは、彼女の思いを知ってるからなんですが、まだ胸に思いは残っているから、やるせなくなる。
同時に、怪物となった少女の思いも見えてきて……菜乃が気づけないのは、もっともだと思いました。でも彼女がいたから、ななせや心葉は、押し黙ることなく、吐き出すことができたんだと思います。
だんだんと面影が似てきて、嬉しくもあり切なくもあり。
ちょっとくどいかなと思う描写が連続していましたが、歌が心に響いていき、ソロからコーラスへと繋がるところに、ゾクッとさせられました。うん、よかった……と思った後の最後はなんですか。不安たっぷりな引きだなあ。
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