「本日ただいまを持って、柳露、そなたを、正式に尚功内人に任命する」
「……なんですと?」
皇妃に仕える女官たちを定期的に雇い入れる選宮女という制度に、借金を返すために志願した露露。後宮のある都へ向かえば、もしかしたら幼い頃に淡い思いを抱いた寒月に会えるかもしれないという希望を胸に……嗅覚の発達した露露が、一癖も二癖もある後宮の人たちと渡り合うラブコメディ。
好奇心旺盛な露露は見ているとこちらまで楽しくなるものがあるなあ。時に無鉄砲すぎて冷や冷やするんだけど(タブーといわれてるのに突き進むか、普通?)、まあ、そのあたりはご都合というかお約束ということで。
思いを抱いた人は既に亡く、かといって自分のやりたいことは見つからずってときに、特性を生かせる人たちに拾われて、だんだんと目標というか、こうなりたいってものをイメージできりょうになっていく展開は良かったです。
同じ部屋となった虎嬌や蓮順といった人たちと、いつまでも一緒にいたいと思える雰囲気は魅力的だったなあ。
そんな折に、亡くなったはずの寒月の姿を見て、いったい彼はどこにいて何者なのかという謎が生まれたと思ったら、井袴人が殺されて疑いが露露に……と、後宮内の陰謀に巻き込まれていくんですが、このときの虎嬌の格好良さといったらなかった。まじめに彼女に惚れました。
身分を隠して動いてる人たちは、とても分かりやすいことしてくれるので、正体を知っても驚くことはないんですが、恋と愛は違うという人の思いが生んだ悲しみと、残されたものの思いは、心に残るものがある。
ちょっと細部が荒いかなと思うんだけど、とても楽しかった。ラストが思いっきりニヤケさせてくれるんだけど、これは続編でるのかな。でてくれると嬉しいな。
花は後宮にあり! (B’s‐LOG文庫)
高丘 しずる
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