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ようこそ、古城ホテルへ(2) 私をさがさないで / 紅玉いづき

「あのねっ違うよフェノンちゃん!」

「ピィたちはねっ、正義の味方なんかじゃないよ!」

「マルグリットの、みんなの、味方だよ!」

若く美しく、変わり者な四人の女主人を擁するホテル「マルグリット」の騒動を描くシリーズの第二弾。今回は、女主人のひとり、ドジで幼い元魔女ピィが連れ去られるお話と、別の女主人・フェノンに恨みを持つものがやってくるお話が収録されています。

これはとても良かった。それぞれが過去を抱えて生きていて、その中に後悔もあるけれど、そのすべてを受け入れて前へ進もうとしてくれる仲間がいることが、どれほど心強いことか。差し伸べてくれる手が、かけてくれる声が、胸に響く。

ピィの元へやってきたかつての兄弟子たちの気持ちは、あまりにも憎悪が強すぎて恐ろしいほどでしたが、それをピィが受け入れてしまうぐらいには、魔術師の掟的なものは重いのでしょう。ただ、そのあたりがはっきり書かれていないから、もどかしくなりましたが、それはたぶん他の女の子たちも同じなんですよね。だからこそ、読んでいて、彼女たちがピィを取り戻しに行くときの気持ちに強く共感できるんだろうなあ。

それぞれが役割を持って行動して、戦う力を持たない姫様なリ・ルゥは、歯がゆい思いをしていたけれど、最後にはびしっと決めてくれて。彼女の登場が熱かった。じわっときたなあ。

これまでと異なり、帰る処がある、その思いが良かったです。

もうひとつ、特別編として収録されている「これがわたしのたからもの」は、フェノンがかつて名乗っていたフェ・フルールを探す少年パスパルと、フェ・フルール狙う盗賊団が、マルグリットへやってくるお話。

決して正義の味方ではないけれど、その時の気持ちで助けた少年が、こういう形でやってきてくれるのは、なんか嬉しい気がする。覚えてないといいながら、少年のために動いたのは、捨てた過去であっても、そのことを覚えてくれる人がいるという思いがあったからかな。

皆に迷惑をかけてはというフェノンに対して、もちろん残りの女主人たちが許すわけはなく。仲間のために、マルグリットのために、ひと芝居打つ彼女たちの想いが素敵だった。

本当のたからものは、ね。そうだよね。

重い共通点を持つ彼女たちだけど、成長しながら前へ進む物語は、とても気持ちいのいい読後感でした。続きがとても楽しみなシリーズです。

ようこそ、古城ホテルへ(2) 私をさがさないで (角川つばさ文庫) - 紅玉 いづき

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