Home > ライトノベル > [日日日] アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul

[日日日] アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul

「独りでは見つけられないものも、みんなで探せば見つけられるよ」
血影の手を握り締め、真子とも互いに頷きあい、伊依は宣言する。
「探そう。影文くんの残してくれた虚無断片!」

アンダカに棲息するモンスターを召喚する「怪造」。その怪造した生物と友達になることを目標にした少女・空井伊依が、古頃怪造高等学校で遭遇する事件を解決していくシリーズの第九弾。今回は、魔王軍と戦う伊依の手助けができないことを悔やむ侍少女・戦橋舞弓が、怪造学会三大禁忌を追い、自身の秘密を知ってしまうお話です。

いやあ、面白い。虚無大公=影文ということに、伊依が気づいてたことは意外でしたが、それ以上に意外だったのが、今まで当たり前のように側にいた人たちが、実は重要なキーだったこと。とんとん拍子に話が進むけど、そこに仲間の存在が感じられるので、何ともいえない温かさを感じます。

そんなこんなで、魔王軍を止めるために、虚無大公の断片を集めようと伊依は頑張ってるんだけど、そんな伊依の頑張る姿を見守ることしかできない舞弓の思いは、やるせないものがありました。真っ直ぐなだけに、進めないとなると、袋小路になってしまうんだろうなあ。迷いが弱さを生み、気づけば伊依の背中を見るだけだった少女でしたが、ハイテンション女装少年・無城鬼京に引きずり回されるうちに、迷うぐらいなら突っ走ってしまえと、思い切りが良くなるところが良かったです。

あわせて、怪造学の禁忌「物造」についてと、「物造」を追い求めていった女性のお話が語られていくんですが、そこからこんなロマンスが見えるとは思わなかった。舞弓の母であるという女性が、血影に似ているという事実が、すべてを物語っていたんですね。
それと同時に、舞弓の秘密も見えたわけですが、普通ならばショックだろうに、むしろ糧にすることができるのは、彼女の強さですよね。

「諦めている暇があるなら祈ればいい!弱音を吐く声があるなら叫ぶがいい!その声は誰かに届く!世界を変えられる!だから決して助けを求め叫ぶことは愚かではない!まだ絶望するには早いのだ。さぁ叫ぶがいい、助けて、と!」

自分に不安を抱いていたはずの舞弓の力強い言葉に、涙を浮かべた伊依の姿が忘れられません。

いやあ、面白かった!
舞弓の復活もさることながら、虚無大公の素直になれない思いに切なくさせられて、最後。これがまた泣かせてくれるんだ。
はじめから物語にかかわっていたのに、どこか疎外されていた少女が、笑顔になる展開に、良かったねとつぶやきたくなりました。

アンダカの怪造学IX  Hyper SamuraiSoul (角川スニーカー文庫 185-9) - 日日日

アンダカの怪造学IX Hyper SamuraiSoul (角川スニーカー文庫 185-9)
日日日

角川グループパブリッシング(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[日日日] [アンダカの怪造学感想一覧] [角川スニーカー文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [日日日] アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2577
Listed below are links to weblogs that reference
[日日日] アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul from booklines.net
アンダカの怪造学(9) from 屠られ日記!(GNO2) 2008-08-08 (金) 11:18
[http://www.amazon.co.jp/dp/4044810095/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1218156...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [日日日] アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top