「ひとつだけ、質問があります」と、春埼は言った。
「ケイ。もし私の能力が岡絵里に封じられたとして。私がリセットを使えなくなったとして。私と貴方の関係性は、何か変化しますか?」
人口の約半数が能力者という咲良田の地。離れると能力のことを忘れてしまうという咲良田で、世界を巻き戻す「リセット」という強力すぎる力を持つために、公的機関の「奉仕クラブ」に所属することになった浅井ケイと春埼美空が、未来を知るという管理局の「魔女」と出逢うお話です。
ああ、このお話は、なんと綺麗で、もろいんだろう。
力の強さから魔女となった人の話は、遣りきれない思いになりましたが、三十年前の思いを支えにして……という決意を知ってしまったら、ケイが動かないわけがないよなあ。
その間にケイの後輩でありケイを憎む少女・絵里が、春埼の能力を奪おうと接近してきたのに、絵里もまた被害者……というと語弊があるけれど、利用されてることに気づいたら、戦うことよりも戦わないことで、切り抜けて行くから、ケイは強いという印象が残るんだと思います。
やがてみえてきた魔女と絵里の繋がりから、ふたりの未来に関わることを選択したケイの決意と、その後の展開は、すごかったです。リセットによって、まったく同じ言葉、同じやり取りが始まるのはわかっていたのに、こんなにも受ける印象が変わるのか!どうなるかわかっているのに、読んでる時、ゾクゾクさせられました。
「魔女」の幸せをと願ったケイのしたことは、ほんのわずかなことでしかないかもしれないけれど、それでもきっと、彼女は笑顔で眠りについたと、そう思います。
それにしても、最後に魔女が残した言葉は、今後に大きな影響を与えること間違いなしですね。特に……春埼にとっては辛い事になるかも。漠然とした不安が、彼女にどんな影響をもたらすのか、気になりますね。
サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL (角川スニーカー文庫)
河野 裕
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