「答えを出せなんて言って無い」
その言葉には、この男らしくない感情が含まれていた。
「ただ、向き合えと言ってるんだ」
斎条は墨の顔を覗き込んでにやりと笑った。
「お似合いだと思うんだけどね、僕としては」
同じ歳の教師・秋津安芸が論理魔術師だと知った播機遥が、彼に師事して論理魔術を学んでいたら、論理魔術を世間に知らしめようとする≪鴉≫が手を伸ばしてきて……という日常と魔術が交差するシリーズの第六弾。今回は、修学旅行で英国に向かったら、そこで安芸の師匠と再会し、<紅>の真実を知って……というお話。
何という引き!
始まりは修学旅行のワクワクと、安芸や斎条の師匠である<魔女>ロゼのギャップある正確にニヤニヤしてたりしましたが、慎重派と急進派がぶつかりあう<円環>が<紅>を恐れるあまり動き出すあたりから、サスペンス展開になって面白い。
それにしても、再び現れた馬原の揺さぶりに、安芸が反応してしまったところが印象的だったなあ。その時だけじゃないけれど、なぜ遥の傍にいるのかというあたりを少しずつ考えさせられて、そして……という展開は、良かったけど辛かった。普段脳天気なまでに明るい遥だけに、灰色の視界になってしまうあたりは……ね。
それでも、守られるだけの女の子じゃないから、ひとつきっかけがあれば、どんなことだって頑張っちゃうあたりが、ほんと見てて気持ちいいですね。ワクワクさせられるばかり。
<紅>のイレギュラー話や賢者の石など、いろいろなことが明かされましたが、さあ、ここから動き始め……と思った直後の衝撃は、やばかった。こっちはこっちで大変だけど、それ以上に驚かされたのが、お姉ちゃんのために動き出す妹ですよ。うわあ、いったいどうなっていくんだろう。
クライマックス間近という盛り上がりだから、続きが待ち遠しくてなりません。
放課後の魔術師 (6)ミスティック・トリップ (角川スニーカー文庫)
土屋 つかさ
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