夏休みも終わったある日、大量の本を寄贈してくれた品の良さそうな老婦人の緒方さんと仲良くなったリンネは、そこで、変わり者の時載りが作った魔法の書棚を見せてもらった。なんと、その中に入れたモノは、何年経っても風化しないのだ。同じ職人によるアンティーク家具がオークションにかけられるという話を聞きつけた緒方さんは、リンネたちにその家具が本当に、時載りの手によって作られたものであるか鑑定を依頼してきて……
本を読むことで、生きるための必要な滋養と、時を止める力を得ることができる「時載り」一族。人間と時載りのハーフである元気いっぱいな女の子リンネと、そんな彼女に振り回される久高が繰り広げる冒険物語の第二弾。
今回は、時載りにして名工であったハゼル・ジュビュックの書棚を手に入れるために、リンネたちが奮闘したら、そこから街の「時間」がおかしくなって……というお話です。
ああ、もう最高!読み始めから、頬の緩みを止めることが出来ません。おしゃまで、でも好奇心いっぱいに行動するリンネがホントいいですね。やれやれと思いながらついていく久高も、まんざらじゃない様子が伝わってきて、微笑ましくなってくる。
新たに友達になったルウとのやり取りも、クスクス笑いたくなるものがあるし、お歳を召した方との触れ合いも優しさを感じて、くすぐったくなるものがあります。
「時載り」であり、職人であったハゼルの家具を巡って、リンネたちが、オークションに参加することになってからのワクワク感は、良かったなあ。ゴージャスに着飾ったGと紳士へと変身した遊佐のカップルの堂とした演技には、見入ってしまいましたよ。
未成年のリンネたちは会場入りできないんですが、ま、そう簡単に面白そうなことを見逃すリンネじゃないってところに、にやり。
今回も逸脱者との対立のおかげで、ちょっぴり悲しい出来事もありましたが、失ったものの悲しさよりも、年齢差に関係なく、新たな友だちという、かけがえのないものを得ることができた温かさが、ほんとすばらしかった。あのときのおばさまの言葉は、どれほどリンネを誇らしくしただろう。物語が続くにつれて、毎回素敵な出会いがあってくれたら、うれしいですね。
不安があっても、その中に楽しみを見つけるリンネの才能は素晴らしいですが、周囲に信頼できる人がいるからこそ、楽しいという思いを持ち続けていられるんでしょうね。特に、久高という存在がいるからこそという親愛が伝わってくるところはとても良かったです。握った手の温かさが、伝わってきたときには、素敵なドキドキ感がありました。
いやあ、面白かった。やっぱり、この人の物語は琴線に触れるなあ。ちょこちょこ出てた凪が、最後を締めるところは、ちょっと甘いかもしれないけれど、それをやり遂げられるのが若さというなら、こんな素敵なことはないと思います。
「ある人」が誰なのかってトコロは気になりますが、このあたりをどう語ってくれるのか、今後が楽しみですね。
大絶賛オススメ。
時載りリンネ! 2 (2)
清野 静
「私がこれを手に入れたいと思ったのは、この書棚の貴重さを知り、その価値を惜しんだからだけど、実は今回の出来事を通じて、何より、思いもかけないものも一緒に手に入れたわ。それはね、とっても心の優しいお友達ができたこと」
リンネははっと顔を上げた。その視線を受け、緒方夫人は目尻に皺を溜めて悪戯っぽく微笑んだ。
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