「試者の灰」をもって王を葬り、闇のものたちを率いて世界をも壊そうとする剣士アドニス。彼と少女剣士ラブラック=ベルの闘いは痛く果てしなく、濃密に続く――生きとし生けるもの、全てのことわりを巻き込み続けながら。そしてついに訪れた終わりのとき、ベルが見いだしたものは――?異能の世界構築者冲方丁、最初期の傑作ファンタジー、堂々の完結!!
いやあ、すごかった。前作の終わりが終わりだけに、予想はしていましたが、初っ端から盛り上がりまくりの物語でしたね!ベルの覚悟と、ギネスたちとの決別、そしてアドニスとの戦いが今まさに始まろうとしたときに現れた教示者とのやり取り。読む手が止まらないとはまさにこのことでした。ああ、もう、すごすぎ。
誰も彼もが多くのものを背負った戦いを見せてくれる中、一番痺れたのは、戦う力を持たぬシェリーの強さが見えたところでした。負わされたものの重さに負けず、威厳を持って立ち上がる姿に、唄うことしかできないといった彼女の唄に、思わず涙。ガフ、あなたは彼女と出会えて、ほんとよかったと思うよ。
そして迎えたアドニスとベルの戦い。
どちらの思いも見えるだけに、何でこの二人が戦わないといけないんだろうと思うんだけど、暗き妄執に負けることなく、唄に後押しされて剣を振るう様に、どれほど強さを感じたことか。ひたすら固執していたアドニスが、ベルの名を呼んだとき、嬉しく思いましたよ。
飛び込んだ先で意外な事実が見えて、そこで改めてアドニスの温かさを感じながら涙するベルは、ほんとに少女にしか見えませんでしたが、でも最後に「烙印」を与える彼女の心の強さに、言葉もありません。
またエピローグがいいんだよなあ。
ベルの旅立ちに先駆けて、この町で出会った人との別れが描かれるんですが、ひとりひとりに告げる「ばいばい」という言葉に、思い出と相手への思いを感じて、何度涙ぐんだことか。ベル自身も大いに後ろ髪を引かれてたみたいですが、それでも前を見つづけたところが、とてもよかったです。
いやあ、面白かった!更なる旅を思わせる終わりに、胸がいっぱいになりました。これからも彼女の戦いは続くだろうけれど、いつかきっとこの地に戻ってきてほしいですね。
オススメ!
ばいばい、アース 4
冲方 丁
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