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[永森悠哉] 多重心世界 シンフォニックハーツ 上.独声者の少年

すべての住人が複数の人格をもつ惑星アーモネイディアでは、多くの人格を持つものが優秀であるという格差が生み出されていた。人格を五つもつものは遊んで暮らせる特権階級で、二つ、三つしか持たぬものは、厳しい労働に耐えねばならなかった。
そんな二つ、三つしか持たぬ人格の同級生にすら軽蔑されていたのが、ソロ・カーツェルだった。彼はまれにみるたったひとつしか人格を持たない独声者だったのだ……。

これは面白いですね。一人の人間に人格が複数あるという世界なので、始めはちょっと混乱しました。同じ人を指すのに名前が違ったりするから、登場人物が少なくても「今」誰なのかちょっとわかりにくくて。とはいえ、段々と整理されていくので、中盤以降は気にならなくなりましたが。

そんな世界観を取り除けば割とストレートなレジスタンスものといった感じ。まだ本格的な戦いは始まっていないものの、熱さを感じます。さらなる熱い展開を予感させてくれます。

独声者の孤独や苦しみがとてもよく伝わってきて、悪く言えば傷のなめあいに陥るところをぎりぎりのところで、頑張ろうとする姿や、そんな彼を導こうとするレジスタンスの人たち説得に出てくる気持ちがとても印象的でした。
できれば、手を取り合ってレジスタンスに入ってくれればと思いましたが、あの場面の切なさにグッときて、その後に続く事実に驚愕しました。ここで続かれるとは……。

早いところ続きが出ることを祈ります。
第10回スニーカー大賞<奨励賞>受賞作。

多重心世界 シンフォニックハーツ 上.独声者の少年 - 永森 悠哉

多重心世界 シンフォニックハーツ 上.独声者の少年
永森 悠哉

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