「一体どうなってんだよ!?」
「身体が崩れる!うまく虚体を補正できない……」
エルバの声に、ルナは困惑と焦燥のこもった怒声を返す。
「いいザマね……」
ファイブレッグスの陰に隠れつつ、バーミッサはルナを見つめている。笑みを浮かべながら。
「これこそ『魔神を壊す力』、結晶連鎖法よ!」
魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第七弾。今回は、「魔神を壊す力」を持つアードレー一族との戦いを描く「魔神決壊」と、スパイクボールなるホッケー系スポーツ(殴りあい有)で、殺人事件の裁判をする「とげとオレンジとジャッジメント」の二編からなるお話です。
てっきり八眼争覇ものかと思ったら、番外編というか、中編集だったので、ちょっと拍子抜けしましたけど、読んでしまえば、そこはいつものレンズと悪魔。熱い展開が待ってました。まあ、いつもよりもユーモアさが多かったような気もするけど。
とある人の依頼で、西部のフォッグビルへと向かうことになったエルバたちが、かつての八眼争覇の覇者の一族と遭遇するお話なんですが、いやあ、まさか「魔神を壊す力」なんてものが出てくるとは思わなかった。悪魔の存在が塵であることを、そういう風に利用してくるか。
「結晶連鎖法」については、ある意味、意表をついたからこそ勝てたところがあると思うので、今後、それを生み出した人が、何らかの形で絡んできたとき、どうやって切り抜けていくのか楽しみですね。
ちなみに、この話で、一番笑ったのは、テッキが裸になって、×に××たり××××たりと頑張ったところ。恥ずかしい思いをしながら、必死に練習した様を思い出すと、萌えそうになる。
って、そういう話じゃないのに、、一番印象に残ったのが、それってどうかと思うよ>自分
楽しいといえば、「とげとオレンジとジャッジメント」。スパイクボールというのは、著者の前シリーズ「タマラセ」で出てきた独自スポーツ(スポーツ?)らしいですが(未読なのでよくわからん)、とりあえずトゲのついたボールでホッケーやると思ってもらえばいいかと。
魔女裁判じゃないですが、勝ったら無実、負けたら死刑という決闘裁判で、無実の罪で捕らえられた男を守るためにエルバが選手の一人となって頑張るんだけど……、実はあんま活躍してないよね?出たくないと行ってたのに、途中から出場したカエデのほうが断然目立ってたところが笑える。相手を痛めつけすぎて反則取られまくるカエデのお茶目さが素敵でした。
てっきりテッキも参戦するのかと思ったんだけど、そこは探偵役というか、そういう立場なので、普通に殺人事件の調査を進めてたけど……、あの、テッキさん?相手は一般人なんですから、もうちょっと尋問方法を考えてあげましょうよ。あの町で、テッキの評価が恐怖の大王的存在になってしまわないか心配です。
いやあ、楽しかった。テッキが繰り広げる交渉術とかも、見事でした。悪党の末路は、ま、いわずと知れたことですよね。
さてさて、次は博物館を揺るがす大事件が発生するらしいです。先日のバルヒーヨの一件が、幼稚園児のおゆうぎに思えるほどだとのことなので、どんな展開になるのか、ドキドキわくわくしながら待っていたいと思います。
レンズと悪魔 VII 魔神決壊
六塚 光
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