奪われた博物館を取り戻すために、そして、バルヒーヨへの恨みを晴らすために、テッキたちは、クラヴリーやカエデなどと行動を共にしていた。先日の戦いで苦渋を舐めさせられた者たちが、少しでも強くなろうとしていたころ、バルヒーヨは「しろがねの悪竜」を呼び起こすという計画を実行するために、エイジをおびき寄せる悪辣な罠を仕掛けて……
魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第六弾。今回は、権力を利用してテッキたちを追い詰めたバルヒーヨから、博物館を取り戻そうとして、というお話です。
いやあ、面白かった。
自分の定めた正義のためなら、他人の気持ちなどどうでもいいと、エルバたちのみならず、東番外地をも葬り去ろうとするバルヒーヨの悪辣な手段が、すこぶるムカツクだけに、立ち向かうエルバたちの応援にも力が入るというものです。
またバトル相手の配役がいいですよねぇ。因縁やリベンジらが絡む、税騎士三人対クラウリー、リデル、サクラの戦いは、血が沸き立つものがありましたよ。超人過ぎると思わなくも無いけど、ま、それはそれ。
そして何より、エルバ・ルナVSバルヒーヨ・ネアの戦いが凄かった。地力ではどうしたって負けているので、何とか手を打たねばと策を持ち込んで……と思ったら、敵もさるもの。あの逃れ方は、予想できませんでしたよ!ハイテンションな変態だけど、戦いに関してはさすがと思わせてくれます。
もはやこれまでかというギリギリのところで、生き残る事が出来たところに、エルバとバルヒーヨの差を思いました。
いやあ、すごいすごい。
そんな熱き展開だけでなく、残酷さもあるのが、このシリーズの印象深いところです。内通者話から発展した彼の動向は、心痛極まりない。まさに悪魔となったかの人の狂気っぷりは、恐ろしく思いましたが、それでいて遂げさせてあげたいと思うものがありました。今後どうなるのか一番気になる人物のひとりですね。
そして、しろがねの悪竜も……。仲間を思った行動が悲劇を呼ぶところには、どこまでも卑劣で、同時に人の心の弱さの残酷さを感じましたが、それ以上にきついのは、暴走した悪竜を止めるために動くモノたちの思いでした。流された涙が、胸にくる。
いやあ、面白かったなあ。熱きバトルものが好きなら文句なしにオススメですね。
これで八眼争覇の残りが四人となりましたが、そのうち三人が固まってるので、さて、どうなることやらと思ってたら、きな臭い連中がやばい会話をしてて……。
今、ここにある平和が、どこまで持つのかと、不安が広がりますが、エルバたちには、何としても乗り切って欲しいですね。
第二部がとても楽しみ。
レンズと悪魔 6 (6) (角川スニーカー文庫 179-12)
六塚 光
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