父親が犯罪組織に横流ししていた円盤を、よりによって娘が、家出の路銀にしようと持ち出してしまったという。おかげで、娘のカレンが犯罪組織スカラーズに狙われることになってしまったので、助けて欲しいという依頼を受けたテッキたちは、ようやくカレンを見つけ出したが、父親からの依頼で連れ戻されると知った直後に、彼女は円盤を持ち出して……
家出少女を連れ戻す「エルバ・ナイトロンドは豆を食らう」、博物館を狙った泥棒を追い詰めていく「テッキと不愉快な仲間たち」の二編の短編と、殺害容疑で逮捕されたマノンの無実の罪を晴らす依頼先で、先の八眼争覇の関係者と出会う中編「敗北者たちの挽歌」からなる物語。時系列としては、短編は一巻のあと、中編は三巻よりあとってところですね。
いやあ、面白い。短編はお約束にもれずコミカルで、「許し難いことが三つある」や、嫉妬したファルナやテッキの姿が見れたりして、ニヤニヤがとまりません。
何といっても楽しかったのは、「テッキと不愉快な仲間たち」ですね。レンズを盗んだ相手にたどり着くために、下請けしたチンピラどもを、ひとり、またひとりと追い詰めていくテッキの恐ろしさが素敵です。いつの間にやらチンピラどもが、テッキの手下となって行動する様に、笑いが止まりませんでした。姐さんって!
このお話を読んだら、テッキの魅力に惚れ惚れすること間違いない。
こういう芋づる式なに仲間になっていくお話って、絵本であったような気がするけど、なんだったかなあ。
とまあ、短編はコミカルなお話でしたが、中編は本編にも関わりあるシリアスなお話でした。事件そのものは、ある意味どうでもよくて、先の八眼争覇とのやり取りが、非常に印象的です。八眼争覇の勝者がひとりであるならば、敗者もいるってことを痛感させられましたね。
自分だけならまだしも、他の人を傷つけてまで、望みをかなえたいのかと迷う姿は、これからのエルバの姿勢に何らかの影響を与えるのか、気になるところです。
普段ヘラヘラしてるけど、ルナはやっぱり悪魔なんだなと思わせてくれる描写にゾクリとさせられました。
手に取ったときには、短編集とは思ってなかったので意表を突かれましたが、面白かったですね。できれば、もっと恋愛要素があってくれたら嬉しかったな。
今後どうなっていくのかについては、先が読めない展開のため、不安のほうが大きくなってきてますが、続きを楽しみに待ちたいと思います。
レンズと悪魔 4 (4) (角川スニーカー文庫 179-10)
六塚 光
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