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[清家未森] 身代わり伯爵の潜入

彼はどうやら嫌われたいようだが、乙女がやられっぱなしで引き下がれるわけがないのだ。これはもう、復讐するしかない。
(誰が嫌いになんかなるかってのよ。あんなことしといて逃げられると思うんじゃないわよ。乙女の純潔を踏みにじったらどんな仕打ちを受けるのか、目にもの見せてくれるわ!)

貧乏パン屋の娘であるミレーユが、伯爵家の養子となった双子の兄フレッドの身代わりとして王宮へあがったら、事情を知ってる騎士リヒャルトと共に、いろいろ騒動に巻き込まれるお話の第六弾。今回は、ヒースの手から逃げ出したミレーユが、目を覚ました場所は、敵国の騎士団駐屯地で……というお話。

相変わらず素敵な思考回路してるなあ、ミレーユ。いくらリヒャルトのためだからって、男装して敵国の騎士団に潜入するか?しかもはじめは、何か情報を得られたら……と思っていたはずなのに、団員たちと衝突していくうちに、気づけば団の中で独特な位置を占めちゃうんですからすごいよ。
肝心の情報収集はうまくいかないのに、男装しているときほど男に好かれるミレーユの才能と、とある人の思惑のおかげで、みるみる地位を上げていく展開が楽しいったらない。

そんな奮闘をみせるミレーユとは別の意味で奮闘してるのが、お兄ちゃんのフレッド。ダークだ。こういう輩は怒らしちゃいかんとツクヅク思う。セシリアに向ける顔とはまるで違う陰鬱さにゾクゾク。と思いきや、女装していろいろ駆け巡るんだから、どこまで本気なんだかよくわからん。いや、お兄ちゃんとして頑張ってるんだと思おう。

ここまできたのにリヒャルトは、一歩下がろうとするんだから、まったくもって意気地のないやつです。ああいうことは、自棄になってやっちゃダメじゃん。あ、でもおかげで、猪突猛進な乙女心に火をつけることには成功しましたね。
っていうか、あれだけ直接的な言葉を投げかけられて、ドキドキしてたのに、その思いを恋と思わないミレーユは、どんな教育を受けてきたのか不思議に思います。お兄ちゃんがいろいろ邪魔したのかしら。

ともあれ、彼女が復讐を誓ったなら、きっと目にものをみせてくれるでしょう。ミレーユに振り回されれば、さすがのリヒャルトの目を覚ましてくれるかな。特に「一番大切な人」なら……、どういう展開で、ミレーユと対峙することになるのかわかりませんが、すっごい楽しみになってきました。甘い展開が待ち受けてくれると嬉しいなあ。

身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫 64-6) - 清家 未森

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