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[清家未森] 身代わり伯爵の冒険

パン屋の看板娘であるミレーユが、ある日、見惚れてしまうようなリヒャルトと名乗る男の人(父の部下)に拉致されてしまった!何でも他家へ養子にいったミレーユの双子の兄ベルンハルト伯爵に、ちょっとした疑いがかけられているので、その疑いを晴らすために、ミレーユに変装して宮廷に姿を見せにいってほしいとのこと。いくら顔が似ているからって、庶民が陛下の前にいけるわけが……

うら若き少女が、兄の身代わり宮廷に行ったら、あんなことやこんなことに遭遇して、というお話です。いきなり明かされる生い立ちからして、ありえなーいと言いたくなるんですが、やることの困難さがわかっていても、一度引き受けたら、どんな状況に陥ろうと、何とかしようと頑張るミレーユの元気のよさがとてもいいです。やっぱり女の子が、元気に動き回る話って、読んでて楽しいですね。

初めて王様に会うときの緊張っぷりや、男同士の熱い(汗臭い)お話に逃げたくなるところや、猥談に顔を赤くしたりする様子を見ていると、僕までからかいたくなります。ああ、かわいい。
男臭い連中に囲まれるミレーユが哀れでなりませんが、同時ににやにや笑いが止まらないです。

笑えるといえば、王女さまのセシリアもいい味出してるなあ。高飛車でプライド高いのに、実は照れ屋さんで、ちょっと図星くらうと、手当たり次第にモノを投げつけてくるさまは、良いツンデレ……と反応しちゃう自分が悲しいけれど、長椅子やらテーブルやらまで、手に取る姿には、思わずビビリまくり。あのイラストがすごい映えてて笑えます。ああ、このシーンだけなんてもったいない。もっとセシリアには出てほしかった。

貴族らしい足の引っ張り合いやら何やらに、嫌気が差しつつも、宮廷にいられたのは、リヒャルトにが護衛として側にいたからでしょうけれど、それ故に彼の心が読めなくなると、不安になるところが、何とも乙女でいいですね。16年間モテたことなしという経験のなさと、一度思いつめたら突っ走ってしまうところで、すれ違いが生まれるところは、ベタベタですがそれがいい。

途中で事件の片鱗が見えてきて、怪しい怪しいと思っていたけれど、まさかそこまでの人が関わっていたとは思いませんでした。自分がミレーユの立場だったら、何も言わずに兄へ殴りかかりそうな気がするんですけど、そこはさすが家族だなあ。操縦の仕方がうまい。
ミレーユの恋心に気づき、友人の恋心に気づき、さりげない演出をする辺り、軽薄だけど、人気が出るのはわかる気がしますね。最後はお約束ってことで。

ああ、楽しかった。
ビーンズ小説大賞なんてチェックしてなかったけど、月季さんの「ラブコメと変人好きな人にはおススメ」と t-snowさんの「ベ タ で 何 が 悪 い !」という力強い言葉に惹かれて、大正解でした。お二方に感謝感謝です。

これはもう続くしかないよね。っていうか、続けてほしいです。ベタでも楽しいお話をお待ちしております。
第4回ビーンズ小説大賞読者賞受賞作。

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1) - 清家 未森

身代わり伯爵の冒険
清家 未森

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身代わり伯爵の冒険 from 読了本棚 2007-03-10 (土) 20:19
シジスモン地区にある庶民的パン屋の看板娘ミレーユ。おムコをもらって店を国一番にするのを目標に日々頭を悩ませていたある日、ひとりの若者がミレーユの前に現れる...

Comment:2

月季 2007-03-10 (土) 20:30

こんばんは。
いやいや、自分が気に入った本を他の方に気に入ってもらえると特攻した甲斐がありますw

あの挿絵は私も大笑いしました。その前に「ご乱心」とか言っている時点で受けまくっていましたが、挿絵でトドメを刺されましたね。いや、あれはすごいwできればどっかの筋肉集団の挿絵も欲しかった……けど、無理か(爆)
ベタなお約束とぶっ飛んだキャラが大好きなので、すごく楽しかった。読者人気No1なのも頷けます。

ビーンズの新人さんはデビュー作がシリーズ化するケースがほとんどなので、続きは出ると思います。今年の新人さんの中では一番続編を叫びたい作品です。


それではこの辺で。

deltazulu 2007-03-10 (土) 20:47

笑えますよね。セシリアのご乱心っぷりは、僕のお気に入りです。もっと出番がほしかったよ……。どっかの筋肉集団の挿絵は、少女向けには難しいと思いますw
シリーズ化するケースがほとんどとのことなので、楽しみに待ちたいと思います。

少女系の小説はあまり知らないので、月季さんのところは大変参考になります。
これからもよろしくお願いしますね。

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