私は醜い。私の心は醜い。ジャスティンは思う。何度も、心に刻むように思う。
こんなことを考えるなんて、心が澱んでいる。でも一度考えたことが消えてくれない。駄目だ。もう戻れないところまで来てしまった。もう自分は変わってしまった。
多分これが、恋なんだ。
美形嫌いの冒険大好きっ子・ジャスティンと、超美形だけど怠惰な悪魔・レクスが繰り広げるラブコメファンタジーの第五弾。ついに思いが通じ合った二人だが、退魔庁の罠により離れ離れになって……人間と魔界の間で今にも始まろうとする全面戦争を食い止めようとするの最終巻です。
ああよかった。
前巻の終わり方から、どんなに苦しい出来事が待ち受けてるのかと思いましたが、どんな時でも、前を向き続けたジャスティンに救われました。いや、ジャスティン自身も不安は大きかったと思うけど、これまでの経験と、多くの人の信頼が、彼女を支えてくれましたよね。人と人(悪魔の場合もあるけど)の繋がりが感じられるところが、とても良かったです。
ジャスティン父の大人気なさや、シリアスな場面での悪魔たちの軽さに、思わずにやりとさせられることが多かったですが、一番ニヤニヤさせられたのは、やっぱりレクスとジャスティンが一緒にいるときのシーンでしょう。
一番好きなシーンは、人間と悪魔との間で、争いが始まるかもしれないという緊張感の中、何とかして悪魔を説得しようとジャスティンが乗り込んだときのいちゃつきっぷりです。そりゃ、あんなの見せられたら、説得されちゃいますよね!
誰かを好きになるということも、重さを知ったからこその大切な人って感じが伝わってくるところに、頬の緩みが止まらなかったです。
レクスとキュリオスの間にあった残酷で哀れな思いや、女王陛下とベネットの間にあった感情については、もうちょっと深く読みたいと思いました。特に女王陛下とベネットは……伝わって欲しかったと思ってしまうからでしょうか。
辿る道こそ異なったけれど、同じところを目指した陛下とジャスティンは、いつかきっと力をあわせる時が来ると、そう思います。
最後はとっても甘い感じでよかった。お幸せに、と言いたくなるお話でした。
悪魔のソネット 永遠の扉は二人のために (角川ビーンズ文庫)
栗原 ちひろ
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