Home > ライトノベル > [雨川恵] アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人

[雨川恵] アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人

「あたしは、全然立派なお嬢様じゃないけど」
アネットは、立ち上がって彼を見上げた。深く澄んだ灰色の瞳を、正面から見つめる。
「あんたのことは、あたしが守るわ。絶対よ。だから……ここにいて。あんたは、あたしの、執事なんだから」

貧困生活から一転して伯爵家を継ぐことになったアネットが、有能で美形だけどちょっとスパルタな執事リチャードの教えで、お嬢様になるべく頑張るお話の第二弾。今回は、王宮への接見会に向けて、より一層レッスンを励むアネットの前に、元貴族な侍女ブランシュが現れて……というお話。

ブランシュ話はとてもあからさまだったので、気づかぬアネットはどうかと思うんだけど、ま、それだけ人が好いということかな。そういう方面は、ユージンたちに任せておけばいいか。

そんなところはおいといて、お嬢様修行しつつ、元気のよさを忘れないアネットがほんといいなあ。優雅に暮らせない労働者根性にニヤニヤしてしまいますが、そんなアネットにお小言をするリチャードとの掛け合いは、何度みても微笑ましいです。普段きびしいけど、時に甘い言葉を投げかけてくれるリチャードは、無意識かもしれないけど、飴とムチだよね。

甘い言葉といえば、顧問弁護士ユージンも負けてないです。アネットにはからかうようなことばかりですけど、侍女となったブランシュには次から次へと歯が浮くようなことばかり言ってて、読んでるだけでゴロゴロしたくなりました。まあ、そんな感じで、軽薄なイメージの強いユージンですが、ブランシュ話から始まる一連の騒動を解決していくところでは、格好いい姿をみせてくれました。

例の秘密があるが故に話せないことも多いのに、それでもアネットの利益を守るために、悪役を引き受けてくれたり、信頼を見せてくれたり。今回の話だけでいったら、間違いなくユージンになびきますよ(僕の場合)。ううむ、この二人、レベル高いぜ。

ブランシュの行動から、リチャードの過去がさらに見えてきましたが……、なかなかに難しいものがありそうですね。アネットは気にしないだろうけれど、彼女に迷惑をかけないように離れていくことはあるかもしれません。
こうなったらユージンも巻き込んでしまえば、と思うのは軽率かな。この三人がどういう形で屋敷と人を守っていくのか気になりますね。

アネットと秘密の指輪  お嬢様と謎の貴婦人 (角川ビーンズ文庫 52-11) - 雨川 恵

アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人 (角川ビーンズ文庫 52-11)
雨川 恵

角川グループパブリッシング(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[雨川恵] [角川ビーンズ文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [雨川恵] アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2733
Listed below are links to weblogs that reference
[雨川恵] アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人 from booklines.net
『アネットと秘密の指輪―お嬢様と謎の貴婦人』の感想 from 空夢ノート 2008-11-06 (木) 02:08
『アネットと秘密の指輪―お嬢様と謎の貴婦人』雨川恵(著)/風都ノリ(挿画)角川ビーンズ文庫/2008.10.1/¥457「でも、いいこともあるわ。 もし、...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [雨川恵] アネットと秘密の指輪 お嬢様と謎の貴婦人

Search
お気に入り

超能力者との恋と青春!

超能力者のいた夏 (メディアワークス文庫) - 寺本 耕也

超能力者といっても何が変わるわけじゃない。ちょっぴり驚くことも多いけれど、寮生活を共にするうちに打ち解けあう姿がすばらしかった。みんな魅力的でこんな寮に住んでみたいと、そう思える青春ものでした。→感想


糖度パネエ!

悪魔のような花婿 (コバルト文庫) - 松田 志乃ぶ

悪魔伯爵と呼ばれた男に嫁入りした泣き虫姫の新婚ライフ。可愛らしくていじらしくて気恥ずかしくてニヤニヤして、喧嘩すら微笑ましい。読んでて砂を吐きそうになるぐらい甘いやり取りばかりだけど、羨ましくて楽しくて続きが読みたい。大好き。 → 感想


青春の下校ライフ!

484013250X484013426X

男一人に女の子三人で下校する。ただそれだけのお話なのに、楽しんでる様子が伝わってきてほっこり温かい。毎日一緒にいるのに、ひょんなことから意外な素顔を見て……みたいなのはいいですね。ほんのりある恋愛要素もニヤニヤです。→ 一巻感想 / 二巻感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top