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[雨川恵] バルハールの姫君

アレクシードと、彼の幼い花嫁ユスティニアは、王都から離れ、港町バルハールの離宮で暮らすことになった。新たな町での生活にユティは毎日楽しんでいたが、アレクシードはどこか物足りないものを感じていた。そんな中、そろそろ夏至を迎えるということで、アレクはユティをつれて、夏至の祝祭へと出かけていったが、そこで二人ははぐれてしまい……

先日の事件の責任を取って、アレクシードが王都から離宮へと追いやられ、そこで他国の陰謀に巻き込まれて……というお話。
自分たちのことを知らない町へ行ったことで、ユティが元気いっぱい動き回ってる姿が微笑ましいですね。兄であるユーゼリクスとの別れが未だシコリとなっているアレクシードは、いろいろ考え込んだりしてる状態なので、ユティに振り回されて遊ぶのは、結構いいことなのかもしれない。いつもながらにいいコンビです。

祭りの最中に迷子になったユティを探して、いつの間にやらゴタゴタに巻き込まれることになってしまったアレクシードですが、いわば田舎町のちょっとした事件に巻き込まれるだけかと思ったら、裏で結構な動きがあるみたい。暴漢からユティを助けてくれた傭兵カジャは、敵なんだか味方なんだかよくわからない位置づけでしたが、個人的には結構お気に入り。出来れば敵対してほしくないけど……。

今回は新たな町でのスタートってことで、それほど大きな動きはありませんでしたが、いつものように、心の迷路で迷うアレクシードに道を示すユティが良かったなあ。しかも今までと違って、アレクがさりげなく嫉妬したりしてるんですから、おいおい、とニタニタしちゃいましたよ。家族愛レベルから、ひょっとしたら愛しい人へとシフトし始めてきたのかもなーんて想像してみたり。いやでも、寂しさで心が震えそうになったとき、大切な人が側にいてくれるって嬉しいですよね。

おそらく、今度はユティの実家方面からいろいろ手が回ってくるんでしょうけれど、個人的にはアレクシードとユーゼリクスの行方が気になるので、そっち側を読みたくなってきたなあ。さてさて?

バルハールの姫君 - 雨川 恵

バルハールの姫君
雨川 恵

角川書店(文庫)
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