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[雪乃紗衣] 彩雲国物語 白虹は天をめざす

楸瑛を取り戻すために、劉輝はお忍びで藍州へと向かう決意をした。だが、王としていくのか、それとも個人としていくのかの答えは出ない。十三姫と邵可を共として、迷いながら突き進む劉輝を追うことになったのは、藍州について調査を行うことになっていた秀麗で……

〝花菖蒲〟の剣を返還した楸瑛を連れ帰るために、劉輝が藍州へと向かうお話です。

今まで、寂しさみたいなものは見えてた劉輝ですが、王としての立場について語られたのは、初めてじゃないでしょうか。劉輝卸しの風が吹き荒れる中、王が都を離れるなんて、と思ったけれど、それほど追い詰められていたんですね。ひとり船の中で静かに涙を流したときの気持ちを見たら、ほんと限界にしか思えなかったなあ。玉座の重みとはこれほどのものかと思わされるばかり。

いろいろ切ない気持ちにさせられただけに、秀麗の行動力が気持ちよかったですね。上司たる皇毅とのやり取りで、幾度断られても突き進む姿が、いかにも秀麗らしいコミカルさでした。落ち込むこともあるんだけど、常に前を向く姿は、元気づけられるものがあったなあ。彼女のまっすぐさを目の当たりにしたら、惹かれる人がいるのもわかりますね。

っていうか、彼が秀麗を思っているとは、露ほどにも思いませんでした。自分から言うことは絶対無いであろうことがわかるだけに、それでも彼女の補佐を勤め上げるであろう姿勢がカッコ良すぎる。

十三姫と隼の関係や、都で玉座を狙うものの動きなど、いろいろなことが見えてきていますが、今回一番重要なのは、劉輝が玉座について、決意を固めるところでしょうね。逃げ出すかのように自分探しの旅に出た劉輝が、楸瑛へと手を伸ばす過程で、自分の迷いに気づいていく展開が良かったです。

情けないところがあった分、決意を固めて進もうとする姿は、さすがの秀麗もドキマギでしたね。お互い思いながら、心を許しあいながら、それでも己の道を貫いていこうとするふたりですが、どうするんだろうと気になるばかり。個人的には普通にくっついてほしいけど、そうもいかないみたいだし。うーん。

くっついて、という話でいったら、十三姫と隼の話もさることながら、珠翠がどうなっていくのかが気になるなあ。楸瑛の思いが通じないのはどうでもいいとして(ヒドい)、邵可の側にはいてほしいと思うんだけど……。
ただ、あの場面での珠翠の決意は、けっして後ろ向きではなかったので、いつか戻ってくることを期待したいですね。

いろいろ見えてくるものがあって、興味深いお話でしたが、どちらかというと、今後のための橋渡し的な感じがあったので、盛り上がりという点ではちょっと物足りなかったかなあ。ま、今回は外に出ちゃってたってのもありますが。おそらく、溜まったものが、次あたりから噴出してくるでしょう。
四面楚歌とまではいかないまでも、劉取り巻く状況はそれに近いものがあるだけに、劉輝たちがどんな手を打っていくのか楽しみです。

彩雲国物語白虹は天をめざす- 雪乃 紗衣

彩雲国物語白虹は天をめざす
雪乃 紗衣

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[雪乃紗衣] [角川ビーンズ文庫] [ライトノベル]

追記:
2007年9月7日に「彩雲国物語」セカンドシリーズ ドラマCD1 番外編~「海より深き愛」・「影月と香鈴」が発売されるとか。「影月と香鈴」が! でもカバーに影月も香鈴もいない……。裏面かしら。

「彩雲国物語」セカンドシリーズ ドラマCD1 番外編~「海より深き愛」・「影月と香鈴」~

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Comment:2

haru 2007-09-02 (日) 20:16

”点”じゃなく”天”ですよ~。でもわざとだったらごめんなさい!

deltazulu 2007-09-02 (日) 22:08

あー、すみません、間違えてました……。修正させていただきます。
ご指摘ありがとうございました。

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