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そのとき君という光が / 高殿円

「ずっと待っているよ。ローランドの王宮で毎日待って待って待ち焦がれるぐらい待ってる」
「なにをだ?」
「また来年もガレーネーが飛んでくるのを。白い羽根が雪のようにきれいで、きっとどこにいても見違えることはないんだ。僕はあの羽音のために生きている。忘れないで」

悪神ゼフリートの籠手の継承者となったお金にがめつい少女・フランが、呪いを解くため、他の継承者を追うシリーズの第三弾。万人に愛されるリストの仮面の持ち主が代わり、しかもホークランド皇太子の愛妾として、パルメニア王宮を訪れた事を知ったフランは、王宮に乗り込むことにしたが……というお話。

お約束だと思うけど、言わせていただきたい。続きマダー?

しかし意外な展開だったなあ。仮面の持ち主と対峙する為に、エルゼリオの力を借りて、パルメニアのとある貴族の養女となり、王宮へと入り込んだら、ミルドレッドの愛妾になっちゃうんですから。いや王宮の時点で予測は出来ていたけれど、しーちゃんのために、ミルドレッドを守らないといけないフランの苛立ちにニヤニヤです。ミルドレッドからしたら、敵でありつつこんなに力強い味方もいないしなあ。相手を国主と思わぬ発言すら嬉しかったでしょう。でも、本音はきっと……うっすらと感じていた思いは、おそらく「椅子」で強固になったと思います。

これはこれで切ない思いなんですが、このお話ではそれ以上に切ないものがありました。月さえも恥ずかしさから姿を隠すようなミルドレッドとセルマゲイラの恋の行方は、呪われた身にとってどれほどのものかと思いますが、さらに追い打ちを掛けるのが……。ミルドレッドよりも、彼の側にいたからこその男の思いが、忘れないように必死になったエルゼリオの手紙に、胸が痛くなる。
でもきっともう一度、もしかしたら違う形かも知れないけれど、彼らは光を手にすることが出来ると信じてる。

こうなると、同じようにゼフリートの力を継承しながら、それを思う存分使っている仮面の継承者が、いっそ爽快に思わなくも無い。自らの過去を忘れる為に、そしてこれまでと違い多くの羨望を求める姿は、愚かしくもその過去を知ると……。求める者がハッキリとしているだけに、迷わないから強く感じるものがある。

同じ継承者として、さらに逆恨みから、フランに挑戦状を叩きつけた仮面の継承者との戦いはどうなるのか……という話で終わってるのに、続きがね……お願いだから、出して欲しいなあ。

そのとき君という光が (角川ビーンズ文庫) - 高殿 円

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