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[岩井恭平] ムシウタbug 8th.夢架ける銀蝶

「良い―夢?」
「ああ」
答えたのは、アキだった。
「大喰いを倒せば、始まりの三匹を倒すことができれば、明日からは……虫憑きが生まれない世界になるかもしれない」 迫り来る敵から亜梨子を守りながら、少年が笑った。
「まさに夢みたいな世界だよな」

宿主の夢や希望を喰らう「虫」に憑かれた少年少女の物語の番外編シリーズの第八弾。虫憑きが生まれない世界を創るために、かっこう、ハルキヨ、亜梨子たちが、大喰いと対峙するbugシリーズ最終巻です。

ああ、切ない。過去の話であるからに、大喰いを倒せるかどうかってのはわかってはいるんですが、その結果に至るまでの道のりに、こんな物語があったとは思いもしませんでした。わかっていたにもかかわらず、亜梨子が集めたメンバーならもしかしてという希望があっただけに、大喰いの力が見せる絶望は……。
しかも、戦いのきっかけを生み出した亜梨子が、摩理との答えあわせで、まさかああなるとは予想もしてなかったので、絶望に拍車がかかるばかり。

それでも、虫憑きたちは、亜梨子が見せてくれた夢を、見続けて。

たとえ、自身が倒れたとしても……というリナの部下たちやハルキヨなど、虫憑きたちが告げた言葉に、彼らが背負ってきたものの重さを感じました。ほんと、やるせないです。

摩理、そして亜梨子。ひとつの虫が生み出した欠陥(バグ)が見せた希望が、その思いと共に託されら、残されたものは倒れることが出来ないですよね。かっこうの強さの秘密がわかる気がします。
「また明日ね」……その言葉が叶うといいなあ。

ムシウタbug  8th.夢架ける銀蝶 (角川スニーカー文庫) - 岩井 恭平

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