どうしてだろう?
なぜ虫憑きは皆、苦しんでいるのだろう?
夢を思い描いて、〝虫〟に取り憑かれた人々のはずではなかったのだろうか?希望を胸に抱いて、生まれ変わった人々ではなかったのだろうか?
宿主の夢や希望を喰らう「虫」に憑かれた少年少女の物語の番外編シリーズの第七弾。ついに摩理の夢の真相が明らかになるお話です。
いやあ、面白かった!
虫憑きでないのに虫と同化していく体に、恐怖を認めながらも、突き進む亜梨子は強いと改めて思います。摩理との関係でも見えてたけれど、ハルキヨが自らの夢を明かしたり、リナもまた亜梨子の言葉に惹かれていったりするところからも伺えました。
決して迷わないわけじゃなくて、むしろ虫憑きでもなく、ただの人でもないという、どちらにも属さないが故に、人一番悩んでるんだけれど、絶望に落ちるのではなく、常に希望を探し続けて、虫憑きたちと手を繋ごうとする少女の思いに、グッとなるものがあります。
本編では、リナの存在って結構大きく思えたんだけど、そこまでリナが大きな存在になったのって、もしかしたら亜梨子と出会えたからじゃないかと思いました。
そんな具合に、出会う虫憑きたちの夢を聞いていくうちに、摩理の夢に気づくんですが……これはつらいなあ。親友の夢と自分の体との天秤とは、なんと残酷なんだろう。それが故に、亜梨子だけでなく、摩理もまた迷ってるんですよねぇ。ただ、生きたいという願うことが、これほどまでに重くのしかかるとは……。
時間がないと分かっていながら、決して諦めずに、自分で答えを出そうとする亜梨子が大好きです。
この亜梨子と摩理と、各タイプ最強の虫憑きたちのお話も良かったですが、個人的に今回一番好きばのは、「先生」と「三匹目」と、二人が生んだ虫憑きのお話「夢抗う語り手」です。
出会ってしまった「先生」と「三匹目」の共同生活のなんと切ないことか。助けたいと思った少女のために、夢を喰らう決意をせねばならなかったときの気持ちが、もう……。
積極的に夢を喰らうようにしむけるはずの三匹目が、相手と先生に向ける優しさがたまらなかったです。
いやあ、面白かった。後半にいけばいくほど盛り上がりますね。
亜梨子の選択は、摩理の選択はどうなるのか。虫憑きたちは、どういう道を歩んでいくのか、気になって気になって仕方ありません。クライマックスまで、あとどれほどの猶予が残されているのかわかりませんが、希望のために生きていってほしいですね。
ムシウタbug 7th.夢高まる鳴動
岩井 恭平
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