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[虚淵玄] 吸血殲鬼ヴェドゴニア MOON TEARS

「忘れないで、惣太。あなたが戦う理由は、あなた独りのものだけど……その結果は大勢の命運を左右する。あなたが想像できないぐらい、多くの人を」

吸血鬼化する前に、血を吸った吸血鬼を倒せば人間に戻れるという吸血鬼ハンターの言葉を胸に、半覚醒状態となった高校生・惣太が、闇の眷属たちに挑むお話の後編。ついに目覚めたロードが動き出すお話です。

まさか、こうなるとは……。
ウピレルと彼に傷つけられた女の話は、その結末にやるせないものがありましたが、そんな展開の連続でしたね。

ただ、モーラの正体についての話があってから、壮絶な戦いを予感してたんですが、ちょっと違う展開が待ち受けていたので驚きました。
前編では表だってたハンターなふたりでしたが、この後編に入ってから印象が弱くなったのは、やはりロードたるリアノーンのせいかしら。彼女が目覚めるとは思ったけど、まさかここまで動くとは思いませんでした。

どんな人かと興味津々でしたが(人じゃないけど)、始めにあの儀式のシーンの厳かな雰囲気を見せられたら、もう完全に特別扱いしちゃいますよね。それだけじゃなく、人あらざるものとして長き時生きてきた彼女の見せる孤独は、とても胸にくるもので。

「言わないで」という言葉に込められた思を感じてしまったら、彼女を倒さなければ人間に戻れないとわかっていながらも、揺れてしまう惣太の気持ちがよくわかる。でも、彼の傍には幼なじみがいるんですよね。

いったい彼はどの道を歩むのか。
すべてが終わったとき、彼の選んだ道が正しいものだったのかというのは、きっと誰にもわからないと思います。それでも、最後に出会えたのは良かったと、そう思いたいです。

切なくなるけど、おもしろかった。

吸血殲鬼ヴェドゴニア―MOON TEARS (角川スニーカー文庫) - 虚淵 玄 種子島 貴

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