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[米澤穂信] 氷菓

海外へ旅行に行っている姉から手紙が来た。
かつて姉が在籍していた古典部に入部せよ、という命令が書かれた手紙が。
既に三年間新入部員がいないため、今年部員が入らねば廃部になってしまうという。
気乗りはしなかったが、友人の「学校にプライベートスペースが持てるじゃないか」
という一言は悪くなかった。
とりあえず誰もいない部室に向かい、鍵を開けたら目の前に女の子がいた。
「こんにちは。あなたって古典部だったんですか、折木さん」
清純そうな女の子だったが、中から鍵が掛けられないこの部屋にどうやって入ったんだ?
いや、なぜ閉じ込められてたんだ……?

いつの間にか密室になった部室。
毎週必ず借り出される本。
あるはずの文集をないという先輩。
そして「氷菓」という文集。

ひとつひとつは小粒な、気にしなくてもいいような謎。
好奇心旺盛な古典部部長が謎を気にして、仲間たちがあおり、折木が謎を解く。
それは時にほろ苦く、時に素敵な物語が紡がれる。読み終わったときの爽快感と言ったら!
そして仲間同士の面白い会話も見逃せない。ユーモアあふれる連中だ。
ひょっとしたらいずれ恋の道も見えてくるかもしれない。

何より印象的だったのは、強引な主人公の姉の言葉でしょう。

きっと十年後、この毎日のことを惜しまない

高校を卒業してからそろそろ十年が経つ。はたしてぼくはあのころをどう振り返るのだろう。
そして今、ぼくはこの言葉を言えるだろうか。
読んでいていろいろ想像させられる物語でした。
これは大いに買いな青春ミステリィ。

氷菓 - 米澤 穂信
氷菓
米澤 穂信

角川書店(文庫)
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