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円環少女(サークリットガール)11 新世界の門 / 長谷敏司

「わたし……、うまくいえないけど、わたし……」
きずなが、ついに気丈でいられなくなって膝をついた。
「こんなことしたかったわけじゃないよ。武原さんと、わたし、どこへ行きたかったんだろう」
やさしい性格が土台にあるからこそ、現実に絡め捕られた今のきずなには、仁を頭ごなしに否定できない。
「わからなくても、まずは歩きながら決めるんだ。足を止めたら死んでしまう旅が、この世にはある」

いやあ、すごい。ここまできて、さらに新たな局面が見られるとは。
王子護が魔法使いの存在を全世界に公開するという、とんでもないことをしでかしたおかげで、魔法使いたちの間だけで起こっていた問題が、政治まで巻き込むことになるから、ペテンといえどもあなどれない。

どこにも後ろ盾のない仁たちは、身を隠しながら落とし所を模索することになるんだけど、きずなという存在が、良くも悪くも追い詰めてくれることになってくれてしまって、とても心が痛いったらない。守りたいという思いが、こんなにも届かなくなってしまう現実が残酷でした。

一方、仁は、これまでとはちょっと違う感じがしたような。背負うものが大きくなって、ちょっと吹っ切れたのかな。まだ悪人には成りきれていないけれど、負けないとか生き延びる、というのではなく、勝ちにいこうとする姿勢が印象的でした。メイゼルとの仲はいつもどおりですが……テレビのシーンでのメイゼルの生き生きっぷりが素晴らしく、仁の教育者としての人生は終わってしまったのではないかと思ったりする。

現状、一番孤立しているのは、京香なんじゃないかと思ったりするんですが、周りに支えてくれる人が居ないというのは、辛いものがあるよなあ。それでも決して倒れず、あきらめないところに彼女の強さがあるわけですが。いつか仁が戻ってこれたらと願いたくなる。

それにしても、再演魔術とは、何という強さを持っているんだろう。たったひとりなのに、多くの人が恐怖する理由がよくわかる。それでも、たとえ強くても、手を汚す事に、普通の人は耐えられないから、きずなは涙を流したままになるんですが……。

甘い誘惑を跳ね除けることは、できないのはわかります。でもその結果がアレとは……いったいラストはどういう意味なんだろう。まさか本当に……とかいろいろ気になって仕方ありません。はやく続きが読みたい!

円環少女  (11)新世界の門 (角川スニーカー文庫) - 長谷 敏司

円環少女 (11)新世界の門 (角川スニーカー文庫)
長谷 敏司

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